「そうだ 京都、行こう。」 季節の花が彩る京都の名刹を訪ねる~花咲く京都~
春の兆しを感じると、心が躍りお出かけしたくなりますね。梅や桃から始まり、日本各地が美しい春の花で華やぎます。1993年にテレビCMが始まった、JR東海の「そうだ 京都、行こう。」のキャンペーン。2022年春のテーマは「花咲く京都」で、桜のみならず京都のいろいろな花々を歴史ある社寺を巡りながら楽しむという企画です。この時期は、梅、椿、ツツジ、藤、サツキ、アジサイなど様々な花が、趣のある社寺の建築や庭園を彩りますが、さらに季節の花によるアートや新たな演出が添えられた特別な空間を観賞することが出来るのです。3月7日から開催されている「花咲く京都」をご紹介します。
「花の間」は、春の花で彩られたアート空間
見どころのひとつは、フラワーアーティスト越智康貴さん監修のアート空間「花の間」です。期間を少しずつずらし、歴史のある4つの寺院の部屋や空間を季節の花で彩ります。単に室内を花で飾るというだけではなく、障子に花が描かれたり、畳から直接花が咲いているようにみせたりと、静寂で凛とした寺院の和室が、華やかに姿を変えています。庭園との調和も美しく、厳かな雰囲気の中に、新しい魅力を感じさせてくれるのです。
「花の間」のアートは期間中、下記4寺院で楽しめます。
東福寺光明院
1391年(明徳2年)、東福寺の塔頭(たっちゅう)として創建された光明院。苔と砂の調和が美しい主庭から「虹の苔寺」とも呼ばれています。主庭の枯山水庭園「波心庭」は昭和14年に東福寺方丈庭園とともに造られ、昭和の作庭家、重森三玲によるもの。白砂に三尊石組と立石が並び、雲紋に刈り込まれたサツキとツツジが背景を彩ります。白砂の大海に雲間から月明りが落ちる様子を表現した名庭を華やかな「花の間」越しに鑑賞できるのは格別です。
住所:京都市東山区本町15丁目809
実施期間:3月18日(金)~4月3日(日)※現在はすでに終了
拝観可能時間:7:00頃~日没
拝観料:志納(300円程度)
アクセス:JR奈良線「東福寺駅」下車徒歩約15分,京阪本線「鳥羽街道駅」下車徒歩約7分
泉涌寺雲龍院
雲龍院は、1372年(応安5年)に創建された御寺泉涌寺の別格本山で、泉涌寺山内の一番奥に位置します。国の重要文化財に指定されている本堂・龍華殿には本尊の薬師三尊像が安置され、西国薬師四十九霊場四十番札所としても知られています。皇室にゆかりが深く、写経道場としても長い歴史があり、現在も本堂では写経体験(抹茶付1,500円)を実施しています。雲龍院の蓮華の間の四角い障子窓越しには、まるで絵葉書のような椿や灯籠、紅葉を、丸窓の「悟りの窓」からは花海棠などを眺めることができ、四季折々の移ろいを楽しませてくれます。
住所:京都市東山区泉涌寺山内町36
実施期間:3月30日(水)~4月24日(日)
拝観可能時間:9:00~17:00(受付終了16:30)
拝観料:400円
アクセス:市バス「泉涌寺道」下車徒歩約15分
隨心院
随心院は、真言宗善通寺派の大本山。小野小町が晩年を過ごした場所と伝えられ、恋文を埋めたとされる文塚や、その恋文で作られたといわれる文張地蔵、化粧井戸など、ゆかりの史跡が数多く残されています。梅の名所としても知られていて、「はねずの梅」は例年3月中旬頃に見頃を迎え、毎年3月最終日曜には「はねず踊り」が開催されます(2022年度は中止)。4月中旬頃からは、シャクナゲやキリシマツツジ、平戸つつじが境内を彩ります。
住所:京都市山科区小野御霊町35
実施期間:4月22日(金)~5月22日(日)
拝観可能時間:9:00~17:00(受付終了16:30)
拝観料:500円(4月29日~5月15日は1,000円)
アクセス:地下鉄東西線「小野駅」下車徒歩約5分
妙満寺
妙満寺は、康応元(1389)年に創建された顕本法華宗の総本山。昭和43年に現在の岩倉の地に移転しました。境内には、インド・ブッダガヤ大塔を模した仏舎利大塔が、本坊内には道成寺由来の釣鐘「安珍・清姫の鐘」があります。比叡山を借景とした「雪の庭」は俳諧の祖といわれる松永貞徳の作庭で、清水寺「月の庭」、北野天満宮「花の庭」とあわせて、「雪月花の三庭苑」と呼ばれる名庭です。4月初旬~中旬の大桜や枝垂れ桜をはじめ、初夏を彩る約3000株のツツジや秋の紅葉など、四季折々に見られる美しい景色は圧巻です。
住所:京都市左京区岩倉幡枝町91
実施期間:5月13日(金)~6月5日(日)
拝観可能時間:境内6:00~17:00、本坊9:00~16:00
拝観料:境内無料、本坊500円
(※桜(4月上旬頃)、ツツジ(5月上旬頃)の開花中は境内・本坊ともに500円)
アクセス:地下鉄烏丸線「国際会館駅」下車徒歩約20分、京都バス「幡枝(妙満寺)」下車すぐ、叡山電車鞍馬線「木野駅」下車徒歩約5分
各社寺をイメージした「オリジナル花御朱印」
ご朱印をいただくことも社寺をめぐる楽しみのひとつ。「花咲く京都」キャンペーンの「オリジナル花御朱印」は、各社寺を象徴する花をモチーフにして、イラストレーターの白根ゆたんぽさんとたなかみさきさんによって書下ろされたものです。第1期は白根ゆたんぽさん作で、霊鑑寺の椿、城南宮の梅と椿、仁和寺の桜が描かれたやさしいタッチの華やかな御朱印が用意されています。花御朱印をいただける社寺は、期間や各社寺に咲く花の時期によっても異なりますので、お出かけ前に「花咲く京都」キャンペーンの特設サイトで確認しましょう。
◇「オリジナル花御朱印」実施期間と予定社寺
※花御朱印の拝受には事前申込みが必要です。詳しくは特設サイトをご覧ください。
<第1期>※現在はすでに終了
実施期間:2022年3月7日(月)~4月14日(日)
イラストレーター:白根ゆたんぽさん
実施社寺:霊鑑寺門跡 / 椿(3月19 日~4月10日)、城南宮 / 梅・椿(3月7日~4月14日)
特別拝観:仁和寺 / 桜(4月1~4月10日)
※特別拝観の事前予約が必要
<第2期>
実施期間:2022年4月15日(金)~5月19日(木)
イラストレーター:たなかみさきさん
実施社寺:長岡天満宮 / キリシマツツジ、妙満寺 / ツツジ、城南宮 / 藤
<第3期>
実施期間:2022年5月20日(金)~6月30日(木)
イラストレーター:たなかみさきさん
実施社寺:金福寺 / サツキ、三千院門跡 / 紫陽花、建仁寺霊源院、甘茶(2022年5月24日(火)~6月30日(木))
「花咲く京都MAP」を入手して、京都の街歩きを楽しもう
京都駅構内などの現地で配布、または「花咲く京都」特設サイトからダウンロードできる「花咲く京都MAP」には、「花の間」「オリジナル花御朱印」の実施社寺以外にも、季節の花が楽しめる社寺や見頃情報が掲載されていますので、入手してから散策を楽しみましょう。
平安時代から花見の文化があったという京都。季節ごとに美しい花に彩られる京都の街を、ゆっくりと楽しんでみてはいかがでしょうか。
★「花咲く京都」特設サイト
https://souda-kyoto.jp/other/hanasaku/