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その癒し、5つ星級。人生を変える会員制リゾート

パリからの優雅な日帰りシャンパーニュ旅行

パリからの優雅な日帰りシャンパーニュ旅行

フランスを訪れたら「ワイナリー巡りをしてみたい」と思う方は多いのではないでしょうか。
フランスワインの産地といえば、ブルゴーニュ、ボルドーが代表的ですが、アルザス、南フランス、ロワールなど、他にも魅力的なワイン産地が勢ぞろいしていて、いずれの地方も観光スポットや郷土料理など、その土地ならではの個性が楽しめます。
パリからの小旅行に出かけるなら、一番のおすすめはシャンパーニュ地方です。特にエペルネは、シャンパン好きなら一度は訪れてみたい憧れの地ではないでしょうか。

憧れの地、シャンパーニュへ

シャンパンは、フランスのシャンパーニュ地方で作られるスパークリングワインのこと。スパークリングワイン=(イコール)シャンパンではありません。シャンパンとは、フランスのシャンパーニュ地方でAOC法(フランスワインのブランドを守るために制定された法律)に定められた条件に従って造られるスパークリングワインのみの呼称なのです。

シャンパーニュ地方のブドウ畑の総面積は35,000ヘクタール。現在、約16,000軒ものヴィニュロン(ぶどう栽培家)があり、それぞれのメゾンの地下には白亜質のセラーが広がり熟成中のシャンパンが貯蔵されているとのことです。
美しいぶどう畑や洗練された街並みを散策すれば、シャンパンに興味のない人でもパリとはまた違ったフランスの地方ならではの、シックな雰囲気を満喫できることでしょう。

シャンパーニュ地方はパリからTGV(高速列車)に乗って中心都市のランスまで約50分。エペルネへは約1時間20分。シャルル・ド・ゴール空港の鉄道駅からは、TGVの直行電車もありますので、フランスの旅の始まりにもおすすめです。また、帰国便が夜発なら日本に帰る前に立ち寄ることができ、旅の締めくくりの思い出にもなるはずです。

2015年には、シャンパーニュ地方の丘陵、メゾンとカーヴがユネスコ世界遺産に登録されたことで、エペルネの目抜き通りである「シャンパーニュ大通り(Avenue de Champagne)」にある各メゾンとカーヴが脚光を浴び、エペルネ周辺地域が注目されるようになりました。この数年でさまざまなアトラクションが新設され、地域全体が活況をみせています。

ぶどう畑を見下ろしながらグラスを傾けたあとは、シャンパーニュ大通りを散策

シャルル・ド・ゴール大広場にある係留型気球「ル・バロン・デペルネ(Le Ballon d’Epernay)」

エペルネの街歩きをしてみましょう。こぢんまりした駅を降りて徒歩15分ほど、シャルル・ド・ゴール大広場にある係留型気球「ル・バロン・デペルネ(Le Ballon d’Epernay)」で、このエリアの空中散歩から始めてみることをおすすめします。大気の状態が安定していれば、気球はワイヤーが伸びて150mの上空まで上り、エペルネの市街や一面に広がるブドウ畑が続く壮大な眺めを楽しむことができます。

大人料金の14€にプラス10€すると、上空でシャンパンサービスを受けられ、ぶどう畑を上から眺めながらグラスを傾けるという、この地ならではのおしゃれな体験ができます。天候が悪くて気球が飛ばない時には、VR(バーチャルリアリティ)のヘッドセットを借りて実際の空の上からと同じような眺めを体感することができます。バーチャルでも広大なブドウ畑がかなりの迫力を持って眼前に迫ってきます。

ぶどう畑が360度広がる迫力ある光景を満喫したところで、地上に降りてメインストリート、シャンパーニュ大通り(アヴニュー・ドゥ・シャンパーニュ)をめざします。5分ほど歩いて広い並木道に出ると、すぐ左手に観光案内所がありますので、シャンパン・メゾンやツアーの情報収集をしましょう。予約なしで見学できるカーヴ(自然の地下倉庫)もありますので、予定を立てていない場合は、観光局で訪ねてみたいところを決めることもできます。街の観光スポットを巡回する可愛いトラムの出発点にもなっていますので、そのままトラムに乗ってまず街巡りをするのもいいかもしれません。

シャンパーニュ大通りのメゾン巡り

キャプション: 緑の並木道が美しいシャンパーニュ大通り

緑の並木道が美しいシャンパーニュ大通り

緑深い並木が続く瀟洒(しょうしゃ)なシャンパーニュ大通りの両側には、お城のような邸宅が並ぶ壮観な景色を目にすることができます。こうしたシャンパンで財を成した人々が住む邸宅の地下には複数のメゾンのカーヴが広がり、総延長は100キロメートル 、2億本ものシャンパンが保存され、熟成を続けているそうです。

モエ・エ・シャンドン社のシャンパンバー

モエ・エ・シャンドン社のシャンパンバー

ドン ・ペリニヨン修道士の銅像

ドン ・ペリニヨン修道士の銅像

観光局の向かいには広大な敷地のモエ・エ・シャンドン社が広がり、予約すればセラーなども見学することができます。社屋の庭にはドン ・ペリニヨン修道士の銅像があり、観光客の写真スポットとなっています。「ドン・ペリ」の愛称でおなじみの高級シャンパンドン・ペリニヨンは、この修道士の名前に由来しています。ベネディクト会の修道士だった「ドン・ペリニヨン」は、シャンパーニュ地方の修道院のワイン食料貯蔵庫長を任ぜられ、試行錯誤の末、シャンパンを誕生させた人物です。

ペリエ・ジュエのシャンパンバー

ペリエ・ジュエのシャンパンバー

何軒かメゾンが続きますが、なかでもペリエ・ジュエは、緑あふれる中庭をオープンエアのシャンパンバーとして開放していて、ツーリストも気軽に入れます。ゆったりとした優雅なシャンパンタイムを過ごしたい方におすすめです。
また、その先にあるメルシエも訪れてみたいメゾンのひとつ。日本語のオーディオガイドを聞きながらトロッコを模したミニトレインでカーヴを巡ることができ、ソムリエさんの詳しい解説付きで試飲も可能です。

「シャンパーニュワインと地域考古学博物館」を探訪

この通りのハイライトは2021年5月にオープした「シャンパーニュワインと地域考古学博物館(Le musée du vin de Champagne et d’Archéologie régionale)」です。
19世紀の末に、ペリエ・ジュエのオーナーだったシャルル・ペリエ氏が邸宅兼セラーとして建てたもので、歴史建造物に指定されているゴージャスな館を博物館に変貌させました。建築家のピエール=ウジェーヌ・コルディエ氏が設計した4,200㎡のこの建物は、当時流行していたレンガ、⽯、スレート、ガラスなどの素材を使ったもので、19世紀の建築様式を色濃く残しています。建物の周りに広がる庭園を散策してみると、まるで時代を遡ったような感覚に陥ります。

「シャンパーニュワインと地域考古学博物館」の充実した展示

「シャンパーニュワインと地域考古学博物館」の充実した展示

10部屋に分かれた各展示室を巡り、数百万年前のシャンパーニュの土壌の形成から現在に至るまでのシャンパーニュ地方の歴史やエピソードを辿ることができます。シャンパンに関連する工具、機械、ガラス製品、絵画、彫刻、装飾美術品、リトグラフなどテーマ別に集められた2000点のコレクションは見ごたえ満点。また、タッチテーブル、仮想現実ヘッドセットなど、さまざまなデジタルデバイスを使ったインタラクティブな体験もできます。

日本語のオーディオガイドも用意されていますので、シャンパンの世界をじっくり堪能してみてはいかがでしょうか。常設展示のほか、年間を通して多くのイベントが予定されているので、訪れる前に調べておくとよいでしょう。

現代アートフェスティバル「ヴィニャート(Vign’art)」作品展示

現代アートフェスティバル「ヴィニャート(Vign’art)」作品展示

たとえば、その一つにエペルネ市後援の現代アートフェスティバル「ヴィニャート(Vign’art)」があります。「ブドウ園における現代美術とランドアート推進協議会」が主催し、シャンパーニュ専門誌『ビュール&ミレジーム(Bulles & Millésimes)』のジャン=バティスト・デュトゥルトゥル氏により開催される、シャンパンとアートのコラボレーションイベントです。2023年で4回目になります。シャンパーニュのブドウ園を背景に、現代アートとランドアートを融合させた催しで、23年は審査で選ばれた17の作品が、エペルネをはじめとする、シャンパーニュ地方一体で展示されました。

「ヴィニャート」のオープニング記念夕食会で提供されたシャンパン

「ヴィニャート」のオープニング記念夕食会で提供されたシャンパン

訪れたフェスティバル期間中に、「ヴィニャート」のオープニング記念夕食会が開かれました。「ホテル・ダングルテール」にあるレストラン「ジェローム・フェック」の1つ星シェフ、ジェローム・フェック氏と「ドメーヌ・レ・クレイエール」にあるレストラン「ル・パルク」の2つ星シェフ、フィリップ・ミル氏による料理に6本の高級シャンパンを合わせたとても贅沢な饗宴です。フェスティバル「ヴィニャート」は、2024年も5月から7月に開催予定ですので、その頃にフランス旅行の機会があれば、ぜひ立ち寄ってみてください。

エペルネ近郊へも足を延ばして

シャンパーニュ・バスツアー「ランペリアル・ド・マリー・アントワネット」

シャンパーニュ・バスツアー「ランペリアル・ド・マリー・アントワネット」

ほかにもエペルネ近郊の街には、シャンパン・メゾンがたくさんあります。たとえば、シャンパーニュ地方に17あるグランクリュ(特級畑)のひとつ、アイ村。エペルネから電車で4分、車では10分ほどで見どころも多く、ボランジェ、ドゥーツ、アヤラ、アンリ・ジローといった有名メゾンだけでなく、小規模生産者も多数あり、家族経営のアットホームなメゾン巡りも楽しめます。

グループ向きのシャンパーニュ・バスツアー「ランペリアル・ド・マリー・アントワネット」を利用するのも便利です。高さ 3.5 メートルのパノラマラウンジを備えたユニークなオープンエアの2階建てバスで、シャンパンを味わいながらブドウ畑をまわるという、お洒落で楽々なシャンパーニュ散策を楽しめます。さまざまな観光プランも用意されているので、何人かでまわる時には、利用してみてはいかがでしょうか。

シャンパンを楽しみながら学べる施設「プレソリア(Pressoria)」

ぶどう畑に隣接する美しい「プレソリア」の外観

ぶどう畑に隣接する美しい「プレソリア」の外観

シャンパンを楽しみながら学べる施設「プレソリア」が、2021年アイ村にオープンし、話題となっています。
シャンパーニュ「ポメリー」が19 世紀末から使っていた圧搾所を改装したもので、チューダー朝のアーチ、高くて狭い窓など、当時のアングロサクソンの建築様式が残された赤レンガの外観が美しい建物です。

「プレソリア」の館内

「プレソリア」の館内

シャンパンの特徴や歴史的遺産としてのシャンパーニュ地方を知ることができるアトラクションが盛りだくさんで、部屋ごとにインタラクティブな技術デバイスの仕掛けを使いながら、ブドウとワインにかかわるあらゆる側面を知ることができるように工夫されています。見学後に建物の前に広がる壮大なぶどう畑を眺めながら飲むシャンパンはまた格別なもの。レストランも併設されており、ガストロノミックな食事をシャンパンに合わせて堪能することもできます。

さらに、エペルネからシャンパーニュ地方最大の都市ランスへは、ローカル線で35分ほどと近いので、時間が許せばランスに寄るのもよいでしょう。シャガールのステンドグラスが見どころの三大ゴシック大聖堂の一つである「ノートルダム大聖堂」や隣接する大司教公邸「トー宮殿」とバシリカ建築の「サン=レミ旧大修道院」など世界遺産も点在し見どころ満載です。市内には朝からグラスシャンパンを楽しめるカジュアルなカフェも多数あり、星付きレストランもそろう美食ルート。魅力あふれるシャンパーニュ地方でさまざまなシャンパン体験をしてみてはいかがでしょうか。

 

写真・文 山下美樹子
Photos: © Alexandre Couvreux(エペルネ・シャンパーニュ博物館)
© BOEGLY+GRAZIA(プレソリア)

【ご参考リンク】
◇エペルネ観光 https://www.epernay-tourisme.com/en/
◇シャンパーニュワインと地域考古学博物館 https://archeochampagne.epernay.fr/en/home/
◇プロソリア https://pressoria.com/en/https://imperiale-marie-antoinette.fr/
◇ル・バロン・デペルネ https://www.ballon-epernay.com/en/
◇ヴィニャール https://www.vignart.fr/

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