人生に美しいサプライズを演出する
世界一高価な花、めずらしい植物とは
花を贈るなんてちょっとロマンティック過ぎる、あっと言う前に散ってしまい後には何も残らない…。もし、そんな印象をお持ちなら、花を贈るという素敵な瞬間がひとつ失われているかも知れません。
発表会やお別れのシーンだけでなく、大切な人に愛を込めて、そして自分の人生にもご褒美の気持ちで、花を贈りませんか。
改良が進む花の中でも注目したい花、プラントハンターたちが見つけた世にもめずらしい品種など数ある植物の中でも、世界一高価といえるのはどんな花でしょう。同じ植物でもコンディションや成長具合によって価値は大きく違ってきますが、今回は、世界一高価な花となりえると言われている花から、人気のコレクターズフラワー、春の贈り物におすすめフラワーをご紹介しましょう。
プレゼントできない? 世界一高価? 月下美人。
月下美人は、一年のうちで一晩しか咲かない、満月の夜しか開花しない、幻の花として知られています。そのため、世界一高価な花、と呼ばれることも。実際には、一年に一度も咲かないことも多く、逆に一年に数回の開花が見られることもあるそうです。同じサボテン科クジャクサボテン属のほかの仲間は、日中にしかも2〜3日は咲き続ける花が多いので、月下美人が幻と言われるのもわかります。
夜しか咲いている姿が見られず、咲くことが叶わないことも多い貴重な存在、しかもその花は濃厚な香りに満ち、白く優雅に大きく花びらを広げる姿はまるで妖精のようで見る人を魅了します。大阪市にある大型温室型の植物園「咲くやこの花館」では、独自の開花調整技術によって月下美人を日中に開花させ、一般公開を実現させています。
月下美人は、メキシコ原産の花で寒さに弱く高温多湿を好みます。温度管理はきめ細かくていねいに行う必要があり、また開花するまで株をある程度の大きさまで育てなければなりませんが、大切に育てれば、個人の栽培での開花も夢ではありません。
月下美人は、プレゼントできない花ではなく、プレゼントするには大変な花であり、それだけに感動的なサプライズギフトになります。
植物世界では新しい品種、ランの仲間たち。
神秘的なフォルムでそれぞれに個性的な美しさが魅力のランの仲間たち。意外にも品種としての歴史は浅いと言われています。ランがこの世界に現れた頃、多くの植物たちが自分の好みの場所に根をおろしていてランは、すでに存在する植物の上で生きることになりました。
このように土壌に根をおろさずに他の木や岩盤などに根をはる植物を着生植物というそうです。着生植物と寄生植物の違いは、同じようにほかの植物に根を張っても、寄生植物はその植物から栄養分を吸収しますが、着生植物はその植物から栄養分を吸い取ったりはしないところにあります。着生植物の根は、着生する植物にしっかりと固定しつつ空気中の湿気や濃霧から水分を吸収するためにどんどん根を伸ばします。
また、土壌に根づくランもあり、地生ランと呼ばれています。着生ランは、種類が多くコチョウラン、カトレヤ、オンシジウム、バンダなどがあり、地生ランにはシンピジウム、シランなどがあります。花束にランの花を加えるだけで驚くほど華やかになります。
ランの仲間でも世界一高価といわれる富貴蘭。
ランの仲間は多く、個性的で美しい花を咲かせるものが豊富です。そして世界で一番高価といわれる花もランの仲間にあります。そのうちのひとつは、富貴蘭です。日本の関東以西の低山地に自生する、着生ランの風蘭が変化したものです。風蘭はとても香りが良く、とくに夜になると甘い香りが馥郁と広がるそうです。
江戸時代の大名に愛された花といわれ、めずらしい品種がコレクションされ将軍への献上品とされることもあったようです。高級な鉢に植えられ、大名や富豪に愛好家が多かったことから、園芸種として発展する中で、富貴蘭となっていったといわれています。その後、絶滅危機になりつつも、現在は富貴蘭、風蘭とも安定し人気が高く、特に優れた富貴蘭には、ひと鉢で数百万円の価格がつくこともあるそうです。
コレクターズアイテム、ローズ。
バラは華やかな表情と優雅な香りで、ファンを魅了する花の女王です。たくさんの種類を集めるコレクターも多く、その時々で流行する花も変化します。
バラの本数が表す花言葉は?
赤いバラは愛を伝える花として有名ですが、贈る本数によっても、次のような花言葉があるそうです。おすすめの本数をご紹介しましょう。
- 1本のバラ・・・「あなたしかいない」「運命の人」「ひと目惚れ」
- 3本のバラ・・・「愛しています」「告白」
- 5本のバラ・・・「あなたに会えて本当によかった」
- 6本のバラ・・・「あなたに夢中」
- 8本のバラ・・・「思いやりに感謝しています」
- 10本のバラ・・・「あなたは完璧」「かわいい人」
- 11本のバラ・・・「最愛の人」
- 12本のバラ・・・「わたしと付き合ってください」「妻になってください」
- 13本のバラ・・・「永遠の友情」
- 15本のバラ・・・「ごめんなさい」
- 21本のバラ・・・「真実の愛」
- 25本のバラ・・・「あなたの幸運を祈っています」
- 33本のバラ・・・「生まれ変わってもあなたを愛す」
- 40本のバラ・・・「死ぬまで変わらぬ愛」
- 100本のバラ・・・「100%の愛」
- 1000本のバラ・・・「1万年の愛を誓います」
今、人気のバラはフリルのような花びら。
また、コレクターたちの注目を集める情報のひとつに、「今人気のバラは何?」「今後の流行の傾向は?」といったバラトレンドがあります。
バラには、5枚の花びらのシングル咲き、セミダブル咲き、花弁の多いオールドなどのロゼット咲き、外側の花びらが内側の花びらを包み込むように咲くカップ咲き、花びらの先が尖ったように丸まり、中央が高くなるような剣弁高芯咲きなどがあります。バラの中でも高価なのは、品種改良された最新品種なのだそうです。新しい品種が世に出るためには、さまざまなコスト、時間も労力も必要なため高価になります。
最近人気があるのは波状弁咲きなのだそうです。これは、フリルのように波打つ花びらが特徴で、ふわっと咲くと優雅な雰囲気、ぎっしりつまったように咲くと豪華な雰囲気になります。このような人気の花を花束やフラワーアレンジメントに加えるとおしゃれなイメージになります。
睡蓮と蓮の花、その違いは?
水に咲く美しい花、睡蓮と蓮の花は、間違われやすい花で混同されてきた歴史があります。蓮の花の英名はロータスでギリシャ語に由来し、エジプトに自生する睡蓮の名前「ロータス」が語源なのです。エジプトの壁画にも登場する睡蓮、お釈迦様が歩いた後に咲いたといわれる蓮の花、どちらも古くから特別な花として愛されてきました。睡蓮と蓮の花が異なるふたつの品種としてはっきり理解されるようになったのは、植物をDNAでとらえて分類するようになった近年のことです。
神秘的な美しさで早朝に咲く蓮の花は、鉢植えでも楽しむことができるのでプレゼントにも可能です。
高山植物の咲くロックガーデン。
高山植物というと、世界最高峰の山で咲く希少な花のイメージがあります。もちろん、現地でしか見られない高山植物もありますが、園芸植物として楽しめるものもあります。
日本では、そんな高山植物や山野草を鉢で栽培してコレクションする、マニアックな楽しみとして定着しています。英国では、アルパインガーデニングと呼ばれるガーデニング分野があり、幅広い層に楽しまれています。
アルパインガーデニングは、高山植物を庭に地植えして楽しむものです。その際、岩を配置して高山の環境を再現しようとするロックガーデンで、高山植物が映えるようイメージして作るアルパインローンがあります。
秘密のうちに庭を改造してアルパインガーデンに仕立てたら、世界最高峰の登山をイメージさせてくれるサプライズプレゼントになりそうです。
3月8日は、ミモザの花を贈る。
フェスタ デラ ドンナ(女性の日)と呼ばれるこの日、イタリアでは大切な女性、それは恋人に限らず母や仕事仲間なども含めて、日頃の感謝の気持ちと愛を込めてミモザの花を贈ります。贈られた女性たちは、髪や胸元にミモザを飾って街に出掛け、食事などを楽しむのです。ミモザは愛と幸福を呼ぶ花といわれているので、女性にはラッキーなメッセージの嬉しいギフトになります。日本でも、例えば川崎市の商業施設などミモザの花をプレゼントするイベントが行われるところもあります。
花束はもちろん、ミモザをコサージュやヘッドドレスにアレンジして贈っても喜ばれるでしょう。生花を使ったヘッドドレスは、ウエディングドレスにも似合って人気です。フラワーアーティストにお願いして作ってもらう方法もあります。ウエディングなど特別なシーンだけでなく、感謝の気持ちや愛を伝えるために、ミモザの日のような機会に特別なオーダーをするもの素敵です。
まとめ
以上、「人生に美しいサプライズを演出する 世界一高価な花、めずらしい植物とは」をおおくりいたしました。
今回は、フラワーギフトにまつわるお話を集めました。美しい表情や甘い香りで、ある時は心和ませ、ある時は感動を与えてくれる花たち。もっと仲良くなって、人生のなんでもないシーンで、また特別なシーンで、自然に楽しめたらステキです。