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早春の青森への旅Ⅱ 刺激的な現代アートを体感する

早春の青森への旅Ⅱ 刺激的な現代アートを体感する

青森県十和田市はアートのまちでもある。まち全体を美術館に見立てて、アート作品が点在しており、日常の何気ない風景の中で現代アートにふれることができるのだ。

後編では、青森で出逢える素晴らしいアートの数々を紹介する。

今をときめく作家の作品が展示された十和田市現代美術館

十和田市の現代アートの中心となるのが、世界的なアーティストの作品を常設展示している「十和田市現代美術館」だ。

フラワー・ホースとはじまりの果実

フラワー・ホースとはじまりの果実

官庁街通り沿いの入り口付近にある《フラワー・ホース》(チェ・ジョンファ作)は高さが5.5mもある。十和田市は古くは馬の産地で、戦前は旧陸軍軍馬補充部が置かれていたため、官庁街通りは駒街道(こまかいどう)と呼ばれていた、そんなまちと馬との関わりを象徴するような作品だ。
りんごが縦に連なっている《はじまりの果実》(鈴木康広作)は、現在開催中の企画展Arts Towada十周年記念「インター+プレイ」展の出展作品。(5/29まで展示)

ゾボップ

ゾボップ外から見えて気になっていたのが建物のエントランスホール。中に入ると、そのカラフルな色が強烈に目に焼き付けられた。《ゾボップ》(ジム・ランビー作)のインスタレーションは、ビニールテープのラインが床一面に展開されているもの。

スタンディング・ウーマン

スタンディング・ウーマン

館内は一つの展示室に1作品だけという贅沢な空間なので、じっくりと作品と向き合える。《スタンディング・ウーマン》(ロン・ミュエク作)は高さ4mの女性像の大きさとリアルさに圧倒される。克明に作られた手のシワや浮き出た血管などを見ると、決して若くはない女性の人生に思いをはせてしまう。

水の記憶

水の記憶

《水の記憶》(塩田千春作)。22万年前の火山活動でできた十和田湖、そして湖に浮かぶ船、2つの存在が長い時間を表しているような・・・。この部屋にいると様々なイメージがわいてくる、そんな作品。

念願の木/三途の川/平和の鐘

念願の木

平和の鐘

《念願の木》 《三途の川》 《平和の鐘》(オノ・ヨーコ作)。アート、音楽、パフォーマンスと様々な形で表現を続けているオノ・ヨーコの代表作で、世界中で展開されている「念願の木」。ここ十和田では特産品でもあるリンゴの木を使用。リンゴの木に花が咲き、葉が茂り、実がなって、また葉が落ちる、1年を通して違う表情を見せてくれる作品だ。短冊を書いて吊るすと、オノ・ヨーコのもとに届けられる。
《三途の川》は玉石を川に見立て、《平和の鐘》は京都の古寺から寄贈されたもので、実際に鳴らすことができる。

コーズ・アンド・エフェクト

コーズ・アンド・エフェクト

《コーズ・アンド・エフェクト》(スゥ・ドーホー作)。9mの高さの天井から吊るされた美しいグラデーション。よく観ると、ヒト型の人形が肩車をして連なっている。その数は約10万体もあり、近くで観ると全体とはまた違うイメージを受ける。

PixCell-Deer#52

PixCell-Deer#52

寄託作品として展示されている名和晃平の代表作「PixCell」シリーズ、《PixCell-Deer#52》。剥製を水晶やガラスなど透明の球体で覆った作品は、観る位置によって表面が歪曲して異なる見え方になる。視点を変えることで変化する様が映像のように感じられる。

建物–ブエノスアイレス

建物–ブエノスアイレス

《建物―ブエノスアイレス》(レアンドロ・エルリッヒ作)。観客が作品の中に入り込み、巨大な鏡によってありえないシーンを目にすることができる。自身の表現力に思わず笑いがこみ上げてきたり、一緒に参加した人と予想以上に盛り上がれる参加型の作品。
※美術館の建物とは別の展示室にあるため、チケット購入後、一旦外に出て駐車場奥へ移動。

愛はとこしえ十和田でうたう

愛はとこしえ十和田でうたう

美術館前のアート広場にある《愛はとこしえ十和田でうたう》(草間彌生作)は、カボチャ、少女、キノコ、犬たちの8つの彫刻群。草間彌生のシンボルでもある水玉模様が、力強く生き生きと飛び跳ねているよう。

一つ一つの作品とじっくり向き合える空間は、時間がいくらあっても足りないほど魅力的だった。行く度に、その時の気持ちによって、きっと感じ方が違うと思うと、再訪したくなるスポットだ。

◇十和田市現代美術館
住所:青森県十和田市西二番町10-9
TEL:0176-20-1127

岡本太郎の遺作がある星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル

2025年大阪・関西万博が近づくにつれて振り返られることが多い1970年の大阪万博。その象徴ともいえる「太陽の塔」の作者で知られる岡本太郎の作品は、時を超えて多くの人を魅了し続けている。ここ、青森にも有名な岡本太郎の作品がある。

大暖炉「森の神話」

星野リゾート 奥入瀬渓流ホテルのロビーにあるのは、大暖炉「森の神話」。1991年に完成したもので、高さ8.5m、重さ5tのブロンズ製で、奥入瀬渓流に生息する鳥やきのこ、森が共生するさまが描かれている。本人のサインも彫られており、ファンにはたまらない。

大暖炉「河神」

岡本太郎の遺作となったのは、同ホテルの西館のラウンジに設置されている大暖炉「河神」。1996年に完成したもので、高さ10m、重さ7t、アルミニウム合金製。奥入瀬渓流の水しぶきが水の妖精「ニンフ」に変わっていくさまを立体的に表現している。

◇星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル
青森県十和田市大字奥瀬字栃久保231
0570-073-022

取材後記

寒い地方へは冬に行くのがよいと言う人がいるが、たしかにそのとおりで、雪景色の青森は本当に美しかった。23日の駆け足で巡った旅は、歴史と芸術と文化、そしておいしい食べ物に満たされていた。関東はもちろん、関西からも飛行機だと短時間で快適に行ける。春夏秋冬、それぞれに色を変えるであろう青森をまた訪れてみたい。

取材・文 松田きこ

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