200億円超えの絵画作品5点をご紹介

ゴッホ、ダリ、ゴーギャン、ピカソetc…。世界に名だたる画家の作品を愛する5つ星Magazineの読者のみなさまへ。
最近サザビーズで覆面アーティストのバンクシーの作品が出品され、話題となりました。「少女と風船」という名の作品が140万ドル(約1億5000万円)で落札されたのですが、その直後、額縁に仕掛けられていたシュレッダーで細断され、周囲を驚かせたのです。下半分がすだれ状になってしまった作品を果たして落札者が買いとるのか、その動向が注目されていましたが、数日後にサザビーズが売買は成立したと発表。作品名は新たに「愛はごみ箱の中に」と名付けられました。
本記事では、バンクシーの絵画のお値段がお買い得と思えてしまうような、驚くほど高価な世界の名作をご紹介します。
363億円 『ナフェア・ファア・イポイポ(いつ結婚するの)』
- 画家:ゴーギャン
- 制作年:1892年
- 購入者:カタール国立美術館
実際の落札額は公式には発表されていませんが、美術品の取引史上最高額となる3億ドルや2億ユーロと言われており、購入したのはカタール国立美術館と報じられています。
前の所有者はスイス人コレクターのルドルフ・シュテヘリンで、これまでスイスのバーゼルの美術館に貸し出され展示されていました。
この絵は、後期印象派随一の巨匠である画家ポール・ゴーギャンの第1次タヒチ滞在期の代表的な作品のひとつ。
1891年4月から1893年6月まで南国タヒチに滞在した期間、いわゆる第1次タヒチ滞在期に制作された本作は、タヒチに住む現地民の若い女性をモデルに、同地の女性の有り様を描いた作品です。
画商デュラン=リュエルの画廊で開催したゴーギャンの個展に出品された作品の中で、当時、最も高値が付けられたことからも、画家自身にとって非常に重要な作品であったことをうかがい知ることができます。
331億円 セザンヌ『カード遊びをする人々』
- 画家:セザンヌ
- 制作年:1892~1893年
- 購入者:カタール王室
2011年に落札された、2人の人物が描かれたこの絵は、ギリシャの富豪ジョージ・エンビリコスが所蔵していました。
取引価格は一説には3億ドル以上とも言われており、今後カタール国立美術館に展示される予定です。
この絵画、はフランスの後期印象派ポール・セザンヌによる油絵の作品。彼の晩年にあたる1890年代に描かれた『カード遊びをする人々』は5種類存在します。本作品はその中の一つで、他の作品はそれぞれ絵の大きさやカード遊びをする人数が異なっています。
217億円 ピカソ『アルジェの女たち』
- 画家:ピカソ
- 制作年:1955年
- 購入者:サウジアラビアのコレクター
ハーレムの女性たちを描いたフランスの19世紀ロマン主義を代表する画家ドラクロワの「アルジェの女たち」のオマージュ作品。
「A」から「O」までの合計15作品の連作の内の1点です。1954年から1955年の冬にかけて制作されました。
1954年に亡くなったフォーヴィスム(野獣派)のリーダ-的存在であり、ピカソの親友でもあったアンリ・マティスの追悼のために描いたといわれています。
ピカソは1940年の頭頃にまず、「アルジェの女たち」のラフスケッチ版を制作。またドラクロワの作品を研究するために、10年かけて定期的にルーブル美術館に通っていたそうです。
そのうちに、偶然1954年から発生したフランスの支配に対する8年間に及ぶアルジェリア民族闘争が発生。この時事問題に触発されて、ピカソは制作を開始します。
ピカソは、ムーア人が支配していた頃のスペイン時代とアルジェリアの独立戦争を関連付けるように描いています。
210億円 モディリアーニ『横たわる裸婦』
- 画家:モディリアーニ
- 制作年:1917年
- 購入者:劉益謙
クリスティーズのオークションで、上海の富豪でコレクターの劉益謙氏が落札しました。
劉益謙は、露天商やタクシー運転手などを経て、80年代に株や不動産取引で成功を収めた人物で、今後は彼の所有する中国・上海の「龍美術館」で展示されることになります。
なお、氏がこの絵画を購入の際、American Expressのセンチュリオンカードを使用し、2億円分以上のポイントがついたそうです!
この絵画の作者であるアメデオ・モディリアーニは、ジャン・コクトー、モイズ・キスリングなどパリを代表する芸術家・画家たちや、パブロ・ピカソ、ディエゴ・リベラ、藤田嗣治など同時代を代表する画家と交友がありました。しかし、キュビスムなど時代の先端をゆく絵画様式とは一線を画す独自の様式であったことや、自堕落な生活・態度であったためにパリの美術界で孤立し、長い間、異端として扱われていました。
晩年に評価されたものの、1920年、結核性髄膜炎によって36歳の若さで夭折してしまいます。
大変なイケメンとしても有名な画家でした。
200億円『インディアンレッドの地の壁画』
- 画家:ジャクソン・ポロック
- 制作年:1950年
- 所有:テヘラン現代美術館
この作品は、実際にその価格で売却された訳ではありません。
2012年に日本で催された国立近代美術館「ジャクソン・ポロック展」にてこの絵画に掛けられた保険評価額が2億5000万ドル(当時のレートで約200億円)だったのです。
1979年に起こったイラン革命以降、門外不出だった作品が特例中の特例で日本にやってきたので、大変な目玉となりました。今後は、イランのテヘラン現代美術館へ行かなければこの作品を直接見ることはできないでしょう。
ジャクソン・ポロックはアメリカの画家で、「アクション・ペインティング」の代表的な画家です。
キャンバスを床に広げ、刷毛やコテで空中から塗料を滴らせる「ドリッピング」や、線を描く「ポーリング」という技法は、絵具を無作為に叩きつけているように見えて、意識的に絵具のたれる位置や量をコントロールしているのです。
これらの絵画は「オール・オーヴァー」と呼ばれ、他の抽象表現主義の画家たちとも共通しています。
最後に…
ここまでの長文をお読み下さり、ありがとうございます。
今回、最も高価な順に絵画をご紹介しました。
組織で所有&管理しているものもあれば、個人で所有しているケースもあります。
その美しさに心が満たされることはもちろんですが、これらの絵画には資産運用としても側面もあり、価値の上昇を狙って購入する方も少なくありません。
ーー歴史に残る芸術品を個人で所有するーーこれ以上の贅沢は果たして存在するのでしょうか!?
以上、
「200億円超えの絵画作品5点をご紹介」でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。