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まるで芸術作品!隈研吾デザインの絨毯は自然の息吹が聞こえるよう

まるで芸術作品!隈研吾デザインの絨毯は自然の息吹が聞こえるよう

つい先ごろ華やかなオープニングを飾った国立競技場。設計に携わった世界的な建築家・隈研吾氏。スタジアムの周囲を取り巻く軒庇(のきびさし)に47都道府県の木材が用いられ、日本の伝統建築の雰囲気を感じさせます。隈研吾氏がこれまでに手掛けた建築の特徴は、自然素材を取り入れ、近代的な中に和の要素があり、ぬくもりを感じるデザインになっていることです。建築以外のプロダクトも、優れた芸術性と機能性を併せ持っています。そんな隈研吾氏がデザインし、山形県のオリエンタルカーペットで作られた高級絨毯をご紹介しましょう。

隈研吾氏の世界観に魅了される高級絨毯

素手で、素足で感じたいKOKEの質感

緑と茶色の濃淡が絵画のように美しい絨毯「KOKE」。苔むす庭、それを囲む木々、差し込むやわらかな光、静かな光景が思い浮かびます。触れてみると、しっとりした部分やごわごわした部分など、場所によって手ざわりが違います。異なる素材と三段階の毛足の長さの糸を組み合わせているのです。絨毯なのにふくらみやくぼみがある不思議さ、その感触がとても心地良くて、裸足でふみしめたり、寝そべったりしたくなります。

隈研吾氏のデザインは自然を取り込むのが特徴ですが、KOKEのヒントは、この絨毯を作っているオリエンタルカーペットの坪庭で、ライトに光る苔を見てひらめいたそうです。はじめにKOKEという名前が浮かび、イメージがふくらんだ隈研吾氏。それを職人たちと一緒に形にしていきました。この絨毯が発表されると、たちまち各方面から注目されました。

 

木々の香りに包まれるようなMORI

深い森に入ると心身ともにリフレッシュできる、そんな感覚がよみがえるような絨毯、MORIは落ち着いたダークグリーンで、三層の毛糸がなんともいえない質感を出しています。触れると思いのほか毛足が長く、密に編み込まれており、そっと中を広げると、ループ状の毛糸がかくれていました。ふわふわとしたクッション性は真夏の青芝の上を歩いているようです。

石庭をイメージしたISHI

枯山水の庭のような美しい波紋が描かれた絨毯がISHI。細かい凹凸が足の裏に触れると、まるで小石の上にいるような感触です。枯山水が白砂と小石で自然を表現するように、この絨毯の上に座っていると、自然の静寂に包まれて心が穏やかになっていくようです。歩くとキュッキュッと音がするのも驚きです。

 

インスピレーションは自然の中から隈研吾氏

[Photo(C) J.C. Carbone]

隈研吾氏は絨毯を作るにあたって、様々な生活のシーンを想像したそうです。見た目の美しさはもちろんのこと、触れたときに人がどう感じられるかが重要でした。それを突き詰めた結果、自然の中にある苔や森や小石の「質感」を落とし込みたいと思い至ったのです。視覚の美しさを超えた触覚的な絨毯ができる第一歩でした。

「僕は裸足で歩くのが大好きです。素足で大地を踏みしめると、地球のエネルギーが体の中に入ってくるような気がします。森の中の現場が多いので、敷地を見るときは必ず森の中に分け入って、じっくり観察します。地形は地図や模型でわかるけど、自分がその場所で感じるものを作品に反映したいんです。森はそれ自身が生きているから、場所によって違う顔をしていますね」

という話を聞いて、この絨毯の上を裸足で歩いてみると、糸がつくる畝やくぼみが存在を主張し、足の裏がどんどん敏感になっていくようです。まるで自然の中にいるようで、とても心地よいのです。

オリエンタルカーペットとの初めてのコラボでは、「こんなふうにできないだろうか」と投げかけると、思った以上のものであったり、意外なものが提案されたりしたそうです。なかでも隈さんがこだわった「質感」に直結する素材については驚くことばかりでした。

「シルクとウールを混ぜるとか、想像もしなかったことがどんどん形になって、僕らが持っていた絨毯の概念を覆されました。1番初めのKOKEの完成まで1年かかりましたが、そのプロセスが楽しくて、子どもが夢中で遊んでいるみたいな感覚ですね(笑)職人さんたちのおかげで想像していた以上のすごい絨毯ができました」

 

歴史と伝統をほこる最高級絨毯「山形緞通」

緞通ってどんなもの?

KOKE、MORIISHI、これら隈研吾氏とコラボした絨毯は、前出のオリエンタルカーペット株式会社(本社山形県東村山郡)が作る「山形緞通」のラインナップです。緞通という言葉は耳なじみがないかもしれないので、少し説明をいたしましょう。

高級な敷物として第一に名前があがるのは、ペルシャ絨毯ですが、ペルシャ絨毯はイランで作られている手織りの絨毯のことです。イラン以外で作られるものはペルシャ絨毯とは呼びません。ペルシャ絨毯は一目ごとに縦糸と横糸を結んでいくため、結び目がしっかりして使うほどに目がしまって強くなります。また、薄くて軽いという特徴があります。

緞通は、中国で作られる高級絨毯です。イランのペルシャ絨毯がシルクロードを通って中国に伝わり、そこで発展しました。太いウールの糸を細かく結んだ厚みのある絨毯で、強度があるため長い年月使用することができます。シルク糸で光沢を出したり、カービングによる浮彫加工を施したりした美しい絨毯です。

山形で緞通が作られる理由

山形県東村山郡山辺町は、昭和初期まで綿織物の染色業(藍染)が盛んでした。しかし時代とともに繊維産業は衰退。地域再生のために新しい産業を作ろうと絨毯の製造に踏み切りました。それが昭和10年頃のことです。オリエンタルカーペットの創業者は、かつて旅した中国の工場を頼って、中国から技術者を呼び寄せて伝習所を作り、生産体制を整えたのです。

もともと繊維産業に携わっていた職人たちは繊維の知識やものづくりの素地があります。彼らが日本人のライフスタイルに合わせた絨毯を作ろうと、創意工夫を重ねた結果、糸つむぎから染め、織り、さらにはアフターケアまで、絨毯にかかわることを一貫して行うようになりました。85年の時を経たいま、技術の蓄積ははかりしれません。

 

美しくて丈夫、隈研吾氏の思いを形にする熟練の技

このお洒落な高級絨毯がどのように作られているのか、工房を訪ねました。

「素材感を出したい」そんな隈研吾氏の思いをくみ取って、完成した色の設計図。これを見ているだけでわくわくしてきす。

糸見本を元に進めます。糸をつむぎ、染めることも自社で行っているため、繊維の奥までしっかりと色を入れるということに妥協はありません。隈研吾氏がイメージする色が出るまで、何度も試し染めをしたそうです。色の種類を数多く出せるのも、長年の蓄積があるから。染料の配分は細かいデータが残されています。

緑色だけでも幾種類もあります。どれかひとつだけをとっても、上品な質感と深い色ですが、この糸を組み合わせて絨毯を作ります。

手差しで編んでいく

糸の色番号が書かれた綿のキャンバスに、フックガンという専用の電動工具で毛糸を打ち込む手差し緞通で作ります。3cm四方を1単位として、細かく密に、その作業は熟練技。ひとつの絨毯を一人が担当し、1日に織れるのは約3cm。大きな絨毯となると何日もかかります。そして、これを作る職人さんはすべて女性です。

「一枚一枚手作業で作っている絨毯です。工業製品じゃなくて、命がこもっているから、家族の一員のように大事にしてほしいし、長く使ってほしいなと思いますね」と、隈研吾氏。

 

世代を超えて使われる高級絨毯

オリエンタルカーペットの応接室の壁に飾られているのは絨毯と同じ技法で作られた職画(しょくが)と呼ばれるもの。水墨画のようなぼかしの手法が美しい風景画、本物の能面と見まごうほど立体的・写実的な能面。職人さんの手すさびというにはもったいないほどの芸術作品です。

また、一見するだけではわかりませんが、部屋の壁には、さりげなく切り落とした絨毯の糸が入れ込まれています。捨てるのがもったいないほどきれいな糸だということで、再利用のアイデアが生まれました。

床に敷かれているのは50年以上前にオリエンタルカーペットで作られた絨毯です。経年変化を感じさせない色合いや手ざわりに驚かされます。実はこれは、オリエンタルカーペットでクリーニングしているからなんです。高級な絨毯をクリーニングするのは大変難しく、素材の質が良くて染めがしっかりしていないとできません。糸つむぎ、染め、織り、すべてを自社で行っているからできる技。独自に開発したマーセライズ加工(艶出し加工)を施した絨毯は、繊維がやわらかく、落ち着いた艶が出ます。マーセライズ加工をした絨毯はクリーニングしても風合いが変わらず、大切に永く使えるのです。

Photo協力:株式会社歌舞伎座

山形緞通を納入しているのは、2013年に建て替えられた東京・歌舞伎座のメインロビー、リーガロイヤルホテル大阪のメインロビー、皇居新宮殿「春秋の間」などに代表されるように、由緒ある場所やハイクラスな場です。また、文化財の復元や新調として、京都・祇園祭の山鉾を飾る艶やかな掛け物なども手がけています。

隈研吾氏と山形緞通、素晴らしい技術を掛け合わせた絨毯。裸足で歩いても寝ころんでも心地よく、なにより見た目に美しい。毎日目にして触れるものだからこそ、良いものを使いたいという人にぴったりです。

 

価格/KOKE

  • 140×H200 650,000
  • 140×H78  360,000
  • 95×H60   180,000

価格/MORI

  • 140×H200 390,000
  • 95×H60   100,000

価格/ISHI

  • 140×H200 200,000
  • 95×H60    80,000

 

●製品に関する問い合わせ

<株式会社イクイップメント・アンド・ファシリティ・デザイン>

TEL 03-5614-7050

http://www.eafd.co.jp/

●製造

<オリエンタルカーペット株式会社>

https://yamagatadantsu.co.jp/

 

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