このページの先頭です

その癒し、5つ星級。人生を変える会員制リゾート

美しく希少な宝石を求め、日本人女性として初のブラジルの鉱山へ(前編)-ジュエリーバイヤー・岩見尚見の旅-

美しく希少な宝石を求め、日本人女性として初のブラジルの鉱山へ(前編)-ジュエリーバイヤー・岩見尚見の旅-

ジュエリーの美しい輝きは人々を魅了し、心を豊かにしてくれます。しかし近年、宝石鉱山の枯渇による閉山によって、ジュエリーを取り巻く環境は厳しくなり、高級なジュエリーの希少価値が上がっています。

宝石鑑定士にして星読みを行い、一人一人の人生のお守りとしてのパワージュエリーを提唱する岩見尚見さんは、本物のジュエリーの素晴らしさを多くの人へ伝えることをミッションとしてメディアにも多く登場しています。そして20225月、日本人女性として初めてブラジルの奥地の鉱山へ宝石を買い付けに行きました。

【岩見尚見(いわみなおみ)プロフィール】

【岩見尚見(いわみなおみ)プロフィール】

株式会社ディーラリエ代表取締役

米国GIA.G.G資格。起業して女性の社会参加を応援する事業を軌道にのせ、現在は宝石と星読みを組み合わせた商品開発や星読み宝石鑑定士として活躍。パワージュエリーの定義を確立させた、オリジナルブランド「D-rallie」コレクションのジュエリーが大ヒット。数年前よりテレビショッピングに登場して、瞬く間に大人気となり番組の冠ブランドにもなっている。

宝石を買い付けにブラジルへ

日本はおろか、世界的に入手困難になっている、パライバトルマリンやアレキサンドライト。しかし、鉱山まで行けば鉱山のオーナーと直接交渉をすることで、オーナーが持っている貴重な宝石を入手できる可能性が生まれます。宝石会社タコールの常務を務める実弟が4年前に現地に行き、交渉したことがありました。その頃に比べると、おそらく状況はさらに厳しくなっているだろうと思いながらも、希少な宝石を求めるためにブラジルへ向かって日本を出発しました。

ドバイ経由でブラジル・サンパウロへ

関西国際空港からエミレーツ航空で、まずはドバイへ向かいます。コロナのせいでラウンジも使えず閑散とした夜の関空。ドバイまでは10時間半のフライトです。ビジネスクラスのゆったりとした席で、軽食とシャンパンをいただいてぐっすりと熟睡。ブレックファーストのアナウンスで目を覚ますと、現地時間で早朝5時。ほどなくドバイ国際空港に到着しました。

空港内は、早朝にもかかわらずショップは開いていて、「とにかく広くて大きくて貴金属のショップが華やか」という印象。トイレの前にかかっている時計は、ロレックス。どこを見てもピカピカに輝いています。でもドバイの空港はサイレンス空港でアナウンスが一切ないため、次の搭乗に向けて気をつけておかなければなりません。

トランジットまでは3時間あるので、ビジネスラウンジで過ごすことにしました。ラウンジはとても広いのですが、座る席がないほど人で溢れています。

ラウンジの食事はとても充実していて、オードブル、サラダ、メイン料理からデザートまでおいしそうなものばかり。モエシャンドンや、ちょっといいワインも飲み放題です。
ハラル中心でお肉料理は少ないですが、スパイシーな味付けのものや、ひよこ豆を使ったフムスなど、少し中東チックな朝食をいただきました。

ネット環境は問題なく、携帯もメールもSNSも日本にいる時と変わらず使えます。日本での仕事のミーティングにオンラインで参加することもできました。色々やりとりなどをしていたら、あっという間に搭乗時間です。

ブラジル・サンパウロへの空の旅

いよいよ目的地であるブラジルへ向けて、14時間の旅が始まります。エミレーツのビジネスシートは、フルフラットになるので噂どおりの快適さです。またまたシャンパンも飲み放題です。今度はモエシャンドンではなくて、少し辛口のヴーヴクリコをいただきました。

ランチには、ポルチーニのスープとメインにサーモンをチョイス。味付けは濃いめですが、美味しくいただきました。食事のあとは、たっぷりのお昼寝タイムです。

目を覚ますと、窓の外にはブラジル・サンパウロの街が見えてきました。気温は30度、現地時間の17時到着です。こちらは日没が早いのと、サンパウロは治安が不安定なので、空港からホテルに直行です。翌日は、朝からさらに2回フライトして、先に現地入りしている常務と合流します。

サンパウロの朝

日本からはちょうど12時間の時差があるサンパウロの朝、時刻は現地時間の7時。昼と夜が完全に真逆ですが時差にも負けず、ホテルのダイニングに降りました。とても美味しそうなパンやフルーツ、野菜などがずらりと並んでいます。

大好きなクロワッサンもあり、朝からテンションが上がります。まずはクロワッサンから。ところが……、見た目とは裏腹なその味に、先程のテンションが一気に急降下です。いかに日本のパンが美味しいか、改めて痛感しました。文化が違うせいなのか、水が違うせいでしょうか、いえいえ、それとも味覚が違うのでしょうか。見た目とのギャップは、私の期待を大きく裏切ってくれました。

常務と合流し、鉱山へ

やっと先に現地入りしていた、常務と合流できました。この道30年の常務は、日本一の天才バイヤーとして、私が尊敬する人の一人です。いよいよ、鉱山に向けて出発。しかし、最初の目的地のバターリャ鉱山までの道のりは遠く、おまけに飛行機のトランジットの待ち時間も長いため、食べてばかりの移動です。

本場ブラジルで飲むコーヒーはどこで飲んでもとても美味しく、唯一長旅で折れそうな心を元気にしてくれます。空港のビジネスラウンジのカプチーノ。とても美味しくいただきました。

サンパウロから北東へ

サンパウロからの深夜のフライトは約4時間。南米最東端のジョアン・ペソナヘ到着しました。翌朝は、今度は陸路で5時間の道のり。第一ミッションのバターリャ鉱山を目指します。日本を出て48時間ですが、まだ目的地には着いていません。日本人の女性ジュエリーバイヤーとしては、初のトライアル。まさに前人未踏の挑戦です。大変ながらも史上初の挑戦が私をワクワクさせるのです。

陸路でパライバ州を目指します

広大な南米大陸は、山もほとんど見られず、果てしない緑の熱帯雨林の中を鉱山を目指してひた走ります。やっと現れた、まるで映画のワンシーンに出てきそうなダウンタウンで、トイレ休憩とガソリン補給。でも、まだまだ鉱山は先なのです。

これが幻のブラジル宝石鉱山

バターリャ鉱山に到着!

飛行機を何度も乗り継ぎ、車で陸路をひた走り、日本から50時間。やっとバターリャ鉱山に到着しました。いよいよ、待ちにまった希少な宝石の原石に出会える瞬間がおとずれます。

これがバターリャ鉱山のパライバトルマリンです!やっと原石を目にすることができました。今、市場に出回っているものの多くはアフリカ産で、ブラジル産のものでもバターリャ鉱山ではなく、そこから西に50キロのパレリマス鉱山のもので、実質はパライバ州のものではないのです。鑑別上ではパレリマスかバターリャかは記載されません。グリーンブルーのトルマリンに銅成分が入っていればパライバトルマリンと鑑別され、鉱山特定まではされないのです。もちろん、ブラジル産なのか、アフリカ産なのかは鑑別機関はデータとして把握していますが、鉱山データまでは登録されません。

でも今回、実際に原石を見られたことで、パライバ州バターリャ鉱山のものか、リオグランデデノルチ州パレリマス鉱山のものなのか、色を見ると圧倒的な違いがあるということがわかりました。

次なる目的地、エイトリータ鉱山へ

次に到着したのは、エイトリータ鉱山です。ここに日本人のジュエリーバイヤーが入ることは史上初とのこと。大変光栄です。
パライバ地方にあるこの鉱山は、1982年にエイトリータ氏によって発見されました。美しいネオンブルーの独特の色を称えた不思議な宝石「パライバトルマリン」が採れる鉱山です。

その美しさは格別で、私も3年ほど前から沢山のお客様にこの宝石をご提案してきました。とても不思議な力を持つ宝石です。しかし近年、採掘量が減り、世界的に需要と供給が合わなくなり、買い付け自体が難しく、価格は高騰するばかりなのです。製造元卸し業として、マーケットの仕入れのみならず、採掘される鉱山そのものを確認し、直接交渉を続けてきたポリシーにかけて、今回は常務とともに現地へ行くことにしたのです。

鉱床は4つありましたが、今はどれも完全に停止していました。剥き出しになった宝石鉱床の地層から、かつては輝く宝石が採掘されてきたのです。新たに掘り進めることはなされていませんが、採掘された土砂をもう一度選別し直し、その中から小さなパライバを探し出すという作業が続けられているのです。

これはまさに採れたてのパライバ、正真正銘のエイトリータです。通常見かけるパライバトルマリンとは、全く色相、明度、彩度が違うことがわかります。
銅成分、Cu の含有量が多いとネオンブルーでもブルーの色が深くなります。その極みが、エイトリータなのです。過去最高のエイトリータは60キャラットの原石です。ダイヤモンドの比ではないほどの希少価値があります。ダイヤモンドは産出量が多いが故に、世界的にメジャーになりました。ダイヤモンドの鉱山はまるで地球ごと掘るようなとても大きな穴を掘って採掘するのです。
ちなみに、アーガイルのピンクダイヤも一時は世界中に行き渡るほどの供給量がありました。大規模に採掘され、シンジゲートが確立されたのです。

それに比べ、ブラジル・パライバトルマリンはこの山を掘り進めても、たった4つのトンネルだけで、もう出てこないのです。宝石の専門家として地球のことを考えた時、宝石が結晶する奇跡的な環境、タイミング、そして数千年、数億年かけてこの地上でやっと発見されるという奇跡。この全てが揃うまさに天文学的な確率、また、そうして出会えた宝石を所有することができるのは、まさに地球規模の奇跡との出会いなのだということをこの旅で、身をもって体験したのです。

人類史上においても、歴代の時の王、権力者が追い求めた奇跡の地球のかけらは、多くの人を魅了し続けてきました。そんな宝石の根源に迫ることができたのは、ジュエラーとしてこの上ない経験でした。エイトリータの美しさはエイトリータ鉱山でしか出会えない奇跡の1ピースなのです。本当に感動でした。

鉱山では一滴も降らなかった雨。しかし、ここは赤道直下で、外気は35度を超えています。帰りの車に乗った瞬間、ものすごいスコールにみまわれました。まさに熱帯の天候です。その後に、この美しい大きな虹。大きな感動の数々に感謝です。

(後編へ続く)

 

株式会社ディーラリエ
大阪府豊中市桜の町4丁目2-12
https://d-rallie.co.jp/
お問い合わせ:info@d-rallie.co.jp

あわせて読みたい
あわせて読みたい

5sters INTREVIEW 角界のプロの魅力に迫ります

その癒し、5つ星級 人生を変える会員制リゾートに注目。

究極の隠れ家 特別な人が選ぶ会員制リゾート

最新記事

アクセスランキング
アクセスランキング

その癒し、5つ星級 人生を変える会員制リゾートに注目。