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落語家・笑福亭銀瓶が、入門から33年の思いを綴った「師弟~笑福亭鶴瓶からもらった言葉」完成!

落語家・笑福亭銀瓶が、入門から33年の思いを綴った「師弟~笑福亭鶴瓶からもらった言葉」完成!

昨年、笑福亭銀瓶さんに「落語の楽しみ方」と題したコラムを4回にわたって執筆していただき、落語の歴史や噺の内容、普段なかなか知ることができない落語家の日常をリズミカルな文章で楽しませていただきました。そんな銀瓶さんの著書が、この春、西日本出版社から出版されました。自身の半生を綴った全416ページの大作を書き上げられた銀瓶さんにお話を伺いました。

(トップ写真:Photo by 小谷 光)

笑福亭銀瓶(しょうふくていぎんぺい) プロフィール

笑福亭銀瓶(しょうふくていぎんぺい) プロフィール

19671015日生まれ、兵庫県神戸市出身。1988328日、笑福亭鶴瓶に入門。2005年から韓国語による落語も手がけ、韓国各地で公演を継続。

2008年、繁昌亭奨励賞受賞。2009年、繁昌亭大賞受賞。
2017年、文化庁芸術祭優秀賞受賞。舞台『焼肉ドラゴン』、NHK朝ドラ『あさが来た』『まんぷく』、『スカーレット』、NHK『歴史秘話ヒストリア』に出演するなど、役者としても活動。著書『銀瓶人語』(西日本出版社)。趣味は、ピアノ、筋トレ、観劇。

(プロフィール写真:Photo by 佐藤 浩)

 

https://www.amazon.co.jp/dp/4908443572

コロナ禍の中で始めた執筆活動

笑福亭銀瓶「百年目」(2020年2月22日、大阪松竹座) / Photo by 佐藤 浩

――初の自叙伝出版おめでとうございます。中身もページ数も圧巻ですね。

ありがとうございます。最初に書いたときはこの倍くらいの枚数がありました。それを取捨選択してこの1冊になったんです。昨年のコロナ禍で、3月に入ったとたんに45月の落語会がすべて中止になって、時間ができました。そんなときに、この「5つ星マガジン」のコラム執筆の依頼を受けて、「落語を知らない人に、落語を紹介する」というテーマで書き始めたら、次々に言葉が出てきたんです。その後、新聞社のデジタル版にも執筆して、書くことへのペースができてきました。もともと文章を書くのが好きで、落語会のパンフレットなんかも、はずみがつくと一気に書いてたんです。はずみがつかないときは全然進まないんですが。

――以前MBSラジオの番組で「銀瓶人語」というコラムのコーナーももっておられました。

『こんちわコンちゃん お昼ですょ!』で、毎週自分の身の回りで起きたことをエッセイにして朗読するコーナーでした。約一千文字、ゆっくり朗読して三分半くらいですね。それも3冊の書籍になっています。その時に出版社から、「続けて本を作りましょう、上方落語のことを書いてください」と言われていたんですが、落語家として高座が忙しかったというのもありますが、師匠や諸先輩を差し置いて私が落語のことを書くなんて、と気が進まなくて。

――そこから心境の変化があったのですか?

コロナ禍は秋にはおさまるだろうと思っていたので、時間ができたこの機会に書いてみようと思いました。それに、例え高座が決まっていたとしても病気になったら出演できないし、人生は何があるかわからない。社会様式が大きく変わるのを目の当たりにして、できるときにできることを精一杯やっておこうと、西日本出版社の内山正之社長にその思いを伝えて、執筆を始めました。

【内山談】
ものすごい筆力でした。4ヶ月間毎日、ときには朝夕に1本ずつ20003000字の原稿が送られてくるんです。しかも内容が面白くて。原稿をプリントアウトして積み上げたら6cmにもなりました。

タレント志望から落語家へ

Photo by 佐藤 浩

――本を読んで、修業中の弟子の様子がよくわかりました。

私はタレントになりたいという動機で師匠の鶴瓶に弟子入り志願をしたので、落語のことはまったく知りませんでした。高専を卒業したばかりの20歳の私にとってはなにもかもが初めてのこと。兄弟子がすることを見様見真似で始めた弟子生活、師匠の部屋にあった落語のテープを聞いたとき、師匠に稽古をつけてもらったとき、着物を着る練習をしたとき、なにもかもが面白かったんです。失敗は多かったし、師匠から叱られることもありましたが、楽しかったですね。

――タレントではなく落語家としてやっていくと決めたきっかけは?

落語家の世界は縦と横のつながりが太いので、師匠からも積極的に他の師匠や大先輩のお手伝いをするように言われていました。寄席の手伝いに行くと、たくさんの落語家と接することになります。うちの師匠もですが、落語家はかっこいいんです。楽屋に入るときは、普通のくたびれたおじさん(笑)。でも、着物に着替えて扇子を手にするとピシッと姿勢が決まる。出囃子と共に高座に上がると、そこに落語家が作り出す噺の世界が広がる。客席を爆笑の渦に巻き込んでサゲを言うと拍手の中で高座をおりる。楽屋に戻って私服に着替えると、また普通のおじさんに戻る。かっこいいですよ。自分もなりたい、と思いました。

――韓国語落語や芝居にも挑戦されました。

韓国語を学ぶきっかけは師匠の言葉です。独学で始めて、落語を韓国語に訳す際は、仲良くなった焼肉店のマスターが協力してくれました。韓国公演は、親しくしていた番組の構成作家さんが協力してくれて、その公演が成功してニュースになったおかげで、舞台出演の声がかかりました。多くの人に助けられて階段を一段ずつ上がることができて、階段を上がるごとに違う世界が見えました。

人生を振り返ることで改めて実感した感謝の数々

Photo by 佐藤 浩

――銀瓶さんにとって「書く」ということは、どういうことですか?

生まれてから53年の間にインプットしたものを出しつくした感じです。書きながら、その前後にあったいろんなことを思い出しました。自分が発した言葉や行動で傷つけたかもしれない人への申し訳なさや恥ずかしさもありましたが、これまで出会った人への感謝があふれてきました。書きながら涙が出たことは何度もあります。書くことで、自分の中のなにかを整理していたのかもしれませんね。

52年や53年生きただけで人生のことを書いていいのかな、という思いはありましたが、書きたいという気持ちがどんどん湧いてきたんです。はずみがついたというか、スイッチが入ったような感覚でしたね。例えば、幼い自分がアパートの階段をかけあがって祖母の元へ行くときのシチュエーションなんかを書こうとすると、その出来事があった時の映像が浮かんでくるんです。

――細かい出来事も覚えておられますね。

1991年からつけている手帳を残していましたし、旅行の冊子なんかも捨てずに置いていました。小学校の同級生が言ったことも覚えてますが、今回、年賀状のやりとりがある先生や友達に取材すると、違う話が聞けて別のことを思い出したり。いい経験でした。

――読者にコメントをいただけますか。

自叙伝として書き始めた本ですが、入門してからの33年は師匠・鶴瓶あっての銀瓶です。自分の人生を書きながら鶴瓶のことを描いている本でもあります。皆さんがよくご存知の笑福亭鶴瓶ですが、皆さんが知らない鶴瓶の一面も知っていただけるはずです。この本を通して笑福亭鶴瓶を感じてほしいです。

2019年6月、ニュージーランドにて

本書のあとがきに、下記のように記しました。

 もし、生まれ変わることができるとして、もう一度、人生をやり直すことができるとするのなら、いくつかの修正点を持ちながら(私が申し訳ないと感じている、これまでの数々の言動についての修正をしつつ)、次のように生きていたい。

 同じ両親のもとに生まれ、同じ境遇で生まれ、同じ環境で育ち、同じ学校に通い、同じ仲間と出会い、同じ校歌を歌い、同じ先生に教えてもらい、同じ人を好きになり、同じ人を愛し、同じ人から愛されていたい。

 そして、同じ人の、弟子でいたい。

Photo by 大西 二士男

――銀瓶さん、どうもありがとうございました。

Photo by 佐藤 浩

「師弟 笑福亭鶴瓶からもらった言葉」 プロモーションビデオ

https://www.amazon.co.jp/dp/4908443572

【書籍概要】
●タイトル 師弟 笑福亭鶴瓶からもらった言葉
●著者 笑福亭鶴瓶
●発行 西日本出版社
●定価 1,980円(税込)
●初版 2021年4月22日発行
●判型 四六判上製 416ページ

■本書に関する問合せ
 西日本出版社
 06-6338-3078
http://www.jimotonohon.com/

 

 

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