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世界で最も高価なお茶 特選4点

世界で最も高価なお茶 特選4点

昔の中国では、お茶は大変に高級なものでした。
今や誰もが手にし、楽しむことができるお茶ですが、現代において最も高価なお茶はどのようなものでしょうか?

昔の中国では、お茶は大変に高級なものでした。
今や誰もが手にし、楽しむことができるお茶ですが、現代において最も高価なお茶はどのようなものでしょうか?

お茶の発祥は?

Free-Photos / Pixabay

お茶の発祥は、紀元前2700年頃の中国。中国最古の薬物書である『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』に、お茶が登場しています。

古代中国の神である神農は、草木の薬効を調べるために、野草やお茶の葉を食べていたと伝えられています。神農は、何度も毒にあたっては薬草の力で甦ったといわれており、自ら発見した薬の効能によって多くの民衆が救われ、その後、神農は薬祖神として祀られるようになりました。お茶はもともと、現在のように飲むのではなく、葉を食べる漢方として使われていたようです。

お茶が現在のように嗜好品として飲まれるようになったのは、紀元前59年。四川の文人、王褒(おうほう)が著した『僮約』(とうやく/どうやく)に書かれた記述から、使用人を雇う立場にあった人々が日常的にお茶を飲んでいたと推測されています。

760年には、文人・陸羽(りくう)が、お茶の歴史、道具、産地、心得などの内容を『茶経』(ちゃきょう)に記し、この頃には、お茶を飲む習慣は中国全域で庶民の間にも広がっていました。

日本のお茶の歴史

DeltaWorks / Pixabay

日本では、奈良・平安時代に、遣唐使や留学僧によってお茶がもたらされたと考えられています。当時は、僧侶や貴族階級などの限られた人々だけが口にすることができる大変貴重なものでした。

その後、鎌倉時代には社交の道具として武士階級の人々にも広がり、江戸時代には一般市民にもお茶の文化が浸透しました。江戸時代初期には急須でお茶を淹れる文化が日本にもたらされ、釜炒りした茶葉に熱湯を注いでしばらく待つ淹茶(だしちゃ/えんちゃ)法は、手間をかけずに気軽にお茶が楽しめる方法として、瞬く間に広まりました。

現在のような煎茶の基礎は、江戸中期の1738年、茶業家の永谷宗円(ながたにそうえん)が、茶葉を蒸して揉んで乾かす「青製煎茶製法」によって確立しました。中国で食べる漢方から始まったお茶は、権力者の嗜好品や武士の社交の道具を経て、現在に至るようです。

現在でも客人をもてなすためにお茶を出しますので、そういった文化が残っているということを歴史を紐解いてから考えると感慨深いものがありますね。

お茶の種類

gate74 / Pixabay

お茶にはさまざまな種類がありますが、どれもツバキ科ツバキ属の永年性の常緑樹「チャ」の葉から作られます。
茶葉には酵素が含まれており、葉を摘んだ後、その酵素の働きにより発酵が進みます。原料は同じでも発酵度合いで「緑茶」「ウーロン茶」「紅茶」などに大きく分かれるのです。

【緑茶】(不発酵茶)

チャの葉を摘み取ってすぐに加熱し、酸化させないようにして作ったもの。日本で作られるほとんどのお茶にあたり、茶葉が発酵していないので淹れたお茶の色は緑色になる。
作り方によって、普通煎茶、深蒸し煎茶、玉露、かぶせ茶、番茶、玉緑茶、てん茶・抹茶、ほうじ茶、玄米茶、芽茶、茎茶などに分かれる。

【ウーロン茶】(半発酵茶)

チャの葉を酸化発酵させ、途中で釜炒りして発酵を止めて作るお茶。緑茶と紅茶の間に位置し、独特の良い香りがする。
中国茶と呼ばれ、発酵の度合いによって「白茶(パイチャ)」「黄茶(ファンチャ)」「青茶(チンチャ)」などと呼び方が変わる。

【紅茶】(全発酵茶)

チャの葉を完全に酸化発酵させ、急速に乾燥させたお茶。淹れたときには濃いオレンジ色になり、香りが高いことが特徴。
世界で一番消費されているお茶であり、完全に発酵しているのでポリフェノールが多く含まれており、風邪やインフルエンザに有効と言われている。そのほかにも、虫歯予防、食中毒予防、コレステロール値・血圧の低下、老化防止などの効果もあると言われ、香りにはリラックス効果も。

奥深いお茶の世界ですね。

ここからはそんな歴史あるお茶の中でも、世界で最も高価なお茶をご紹介します。

大紅袍(だいこうほう) 約1395万円/100g

大紅袍

この『大紅袍(だいこうほう)』というお茶は、岩茶という種類に分類されます。
岩茶とは、岩場で育つお茶のことを指しています。
土の中のように根を張れるようなスペースが十分にある訳ではないため、根は発達していません。
そのため、生存に必要な水分や栄養素を葉から行うのです。そうして発達した葉は肉厚になり、旨みが増すと言われています。

その岩茶の中でも、中国福建省北部の武夷山市(ぶいざん)産が最も貴重であるとされており、その中でも最も高価なものが、この大紅袍です。
この大紅袍は政府が管理しており、年間800グラム程しか採取できません。その希少性から、一般には入手することが困難です。

しかしながら、その原木から接ぎ木によって栽培される茶葉は、一般の方でも買える価格で流通しているのでご安心下さい。

蟲糞茶(ちゅうふんちゃ)約100万円/100g

蟲糞茶

次にご紹介する『蟲糞茶(ちゅうふんちゃ)』も大変に高価でありますが、この漢字が示す通り、《コメシマメイガ》や《ヒロオビウスグロアツバ》という蛾の幼虫の糞から作られたお茶です。

試すには少々勇気がいりそうなお茶ですね。コナシ(バラ科)茶などの葉を食べた幼虫の糞からできたこのお茶は、苗族(ミャオ族)の間で飲まれ始めたものだったのですが、香りや味が良いと評判になり、東南アジアなどに広まっていったそうです。

木桶に葉を入れ、葉を食べた幼虫が排泄した糞を集め、天日干しや釜で乾燥させる手法で作られます。実際、このお茶はプーアル茶に似た色で、「糞」のような臭みは皆無だそうです。むしろ、茶の香りがしっかりとあり、蜂蜜の甘みを感じられるほどだそうです。

さらに、蛾の幼虫が葉を食べる際に、その酵素によって葉の成分が分解され、リジン(アミノ酸)を生成するため、うま味が増えます。
しかも、消化の過程で善玉菌が多く含まれるので、

  • 健胃作用
  • 整腸作用
  • 止瀉作用
  • 止血作用

などの薬効があるといわれています。

お値段は大変に高価ではありますが、一度は試してみたいものです。

熊猫茶(ぱんだちゃ)約60万円/100g

続いてご紹介する『熊猫茶(ぱんだちゃ)』は、パンダの糞を肥料にして育てたお茶です。

元々、書道の先生だった安氏は、パンダ飼育センターからパンダの糞を11トン購入し、それを肥料にして中国南西部四川省の山間部で茶葉を育てています。

安氏は「養分に富むパンダの糞は、化学肥料よりもずっと良いはず。人間は、天や地と環境と調和した関係を築くべきなんだ」という思いから、化学肥料を動物の堆肥に置き換えることを使命として取り組んでいるそうです。

パンダは野生の笹しか食べないのですが、栄養として吸収されるのはその30%ほどで、残りの70%は糞として排出されます。
栄養価の高い糞により、お茶に与える好影響を期待して育成されたこのお茶は、2012年に初めて収穫され、販売されました。

安氏がこのプロジェクトに投資した金額は1000万円以上といわれています。このお茶の価格が高価であるのも、そのコストと珍しさが影響していると考えられますが、どのような味なのか、評価されるのはこれからでしょう。

鉄観音(てっかんのん)約3.7万円/100g

鉄観音

次にご紹介する『鉄観音(てっかんのん)』は、前述した3つのお茶に比べると値段が下がりますが、それでも100gで37,000円という価格はやはり規格外といえます。

鉄観音は烏龍茶の一種で、半発酵茶です。さらに発酵させると紅茶になります。
実は、元々緑茶も紅茶もウーロン茶も【チャノキ】という植物の葉からできたもので、発酵具合によって違いが生まれているのです。
現在はそれぞれの発酵に適した品種が生み出されており、多くの人たちを楽しませているのです。

鉄観音という名前は、仏教の観音菩薩に由来します。
非常に高価なお茶ではありますが、7回は風味を損なわずに淹れることができるため、少量で長く楽しめるお茶です。

また、この茶葉が特別とされるのは、五感のすべてを楽しませてくれるところです。

明るい緑色の茶葉ときらめく黄金色の液体の対比は、見た目にも楽しいものです。また、茶葉にお湯を注ぐと、涼やかな音色がして耳を楽しませてくれます。
香りはしっかりとした栗のような芳香で、すするとその豊かな香りが口の中にも広がります。

あとがき

ここまでの長文をお読み下さり、ありがとうございます。

お茶は、さまざまな形で世界中の人たちに愛されています。
その香りで人の心を華やかにさせるだけでなく、健康にもいい成分を含んでおり、日常の多くの場面でお茶は欠かせない存在となっています。
今回紹介したお茶はどれも非常に稀少なものですが、ぜひ一度は味わってみたいものです!

以上、「世界で最も高価なお茶 特選4点」でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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