空海の言葉に成功法則のヒントを掴む
大きな目標や明確なビジョンを持ち、次のステージを目指している5つ星Magazineの読者様へ。
人生、成功の秘訣は、歴史上人物の名言にヒントがあることもございます。
本記事では、最澄と並んで日本仏教の礎を築いた日本仏教史上最重要人物の一人、空海をご紹介します。彼もまた成功へのヒントを数多く残しています。
空海ってどんな人?
空海は、774年讃岐の国、現在の香川県の生まれで、秀才型の最澄に対して、いわば天才型の人物だったカリスマ空海は、実は仏教以外の部分に実業家としての側面もあり、日本社会の発展に大いに貢献した人物です。
京の大学に進み、一つの学問として仏教にも励んでいたようですが、生来求道の精神の人だったようで、僧侶になることを決意します。
その後、著書『三教指帰』の中で、儒教、道教、仏教の比較により仏教の優位性を解説し、自らも和歌山の山に入って山岳修行を7年に渡って行いました。
さらに仏教の道を極めたいと考えた空海は、31歳の時に私費の遣唐使として中国に渡ることを決意します。渡った中国(当時は唐)で、密教の正当な教えを継承している僧侶、恵果と出会い、深く密教の道に入っていくことになります。
唐での2年に渡る徹底的な密教の修行を終え、膨大な資料と共に日本に帰国した空海は、その後、朝廷に『請来目録』を提出し、その斬新な内容が話題になります。
「虚しく往きて充ちて帰る」(何も知らずに行って、充実して帰って来る)という空海の有名な言葉からは、この2年間の充実度と本人の達成感が感じられます。
そして、唐から帰国して10年が経過した後に、朝廷に修行場を設立することとなり、後に京都の東寺、ついで和歌山の金剛峰寺が正規の修行場となり、日本の真言密教の基礎を確立するに至ります。
事業家としての空海
空海は、修行を極め、日本の密教仏教の基礎を作った宗教家ではありますが、実業家としての側面も持っていました。
2年の修行を終えて唐から戻った時に、実は多くの密教の資料に合わせて、土木工事の技術も持ち帰っており、それを実際に「人々を苦しみから救う」ために実践したのでした。
特に821年に陣頭指揮をとった、現在の香川県にある満濃池の堤防工事は有名で、それまではうまくいかず何度も中止になっていた工事を短期のうちに問題なく完成させてしまったと言います。
その他、灸などの東洋医学を紹介したり、温泉を発見し事業化、また井戸については全国で1,000以上もの場所で実際に開発に導いたりと、多方面の事業で活躍しました。
彼は、偉大な宗教家であることに違いはありませんが、人々に教えを広めるために選択した宗教的アプローチは、あくまで現実を受け入れ、その現実こそ修行の場であり、そこでの業を通して精神的境地に至る、という概念が根本にあったのかもしれません。
成功のための珠玉の言葉たち
空海は、人との接触を非常に重要視し、他人との関係の中から自分の精神的な成長やステージアップを志すことを基本にしていました。
それゆえか、彼から発せられた言葉の中には、相手に何かを感じ取らせたい示唆に富んだものが多く、それは仏教とは関係のない人に対しても、また時を経て現在に生きる私たちに対しても、価値あるメッセージがあります。
空海が残した数々の言葉の中から、成功のための示唆に富んだ言葉をピックアップしてみたいと思います。
人は、自分のなかに宝を持っていることを知らず、過ちをおかす
本来の自分の中の価値に気づき、それにフィットした方向でことを起こさないと何をやってもうまく行かないのは当然かもしれません。
物事を得た、達したと自ら決めてしまえば、そこで終わってしまう
人間的に成長をする、富を築く、知見を広める、どの道も、進み続けるのも歩みを止めるのも結局は自分次第ということだと思います。
人を待ち、時を待つ
出会いも結果も、すべて、来るべきタイミングがあるということですね。したがって、待つ時は待つ。焦っても何も変わりません。
嫉妬という心は、他人と自分を立て分けることから生じるものである
空海は、嫉妬心というものほど、最悪な心はないと言います。この気持ちは、自分自身の成長を妨げ、人の足を引っ張るような気持ちにつながる。成功は他人との比較で手に入れるものではないということですね。
どんなに良く効く薬でも、飲まなければ効かない
シンプルにて実に正論。出会いも機会も、行動に移して行かないと何も始まりません。
いつまでも愚かなままではない。時が来れば花が咲く
あまりに思い通りにことが進まなかったり、ひどい状況に直面しても、来るべき結果は来るべきタイミングで出る、ということだと思います。信じて進む、強い気持ちこそ成功の原動力かもしれません。
環境というものは、自分の心のあり方によって変化するものである
現実は現実ですが、それをどのように捉えるかによって人は全く異なる経験をします。成功のための環境というものは、実はマインドの持ち方で主観的に作り上げるものとも言えるのかもしれません。
始めあり終わりあるは、この世の常の理、盛者必滅はすなわち人のさだまれる則なり
人生には終わりがある。そしてその終わりに向かって今がある。この当たり前の摂理を、日々の生活の中では忘れがちですね。人生には必ず終わりがある。そしてこの今を大切に生きる。
この原点をときに思い出すことは、大きな視点での人生成功のために有用かと思います。
蜜柑は冬の冷たい霜に遭ってさらに色づく
果実ができるのにはそれぞれのタイミングがある。そして、より厳しい環境でそれはより充実した果実に育つ。本当の成功という価値ある果実を手に入れるには、困難はつきものです。
心病の元はただ一つ、無明これなり
知らないということは非常に大きなハンデキャップです。知ることによって余計な不安や心配は軽減することができます。自らの成功の道を積極的な気持ちで進むためには、学んで知識を積み重ねることに大きな意味があることと思います。
仏教の最高の智慧とは、決断し、選びとること
仏教では、智とは決めて選択することを指すのだそうです。その決断力こそ最高だと教えているのですね。事業も人生の選択もすべて決断と実行の連続です。その間に障壁が立ちはだかり、また考えて決断して進む。その先にあるのが成功という領域であると解釈することもできます。
欲の矢は、あらゆるものを救いたいという情熱も含む
空海は、欲というものを悪いものとはして否定しません。すなわち、人への施しや他人を救済したいと思う気持ちも、いわば欲望であるということですね。つまり、欲求を良い形に振り向けることが重要と解釈できます。
心暗き時、すなわち遭うところことごとく禍なり
心が暗いときは、マイナスなことばかりが起きてしまう。
自身にも心当たりがあるところです。たとえ、どのような状況に直面しても、常に前向きなマインドでいることが、次の明るい材料の引き寄せにつながるのかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか、空海の言葉。
時代や環境を超えて、現代社会に生きる私たちにとっても、極めて価値ある内容のものが多いと思います。考えてみれば、人生に対する悟りや解脱こそ、本質的な意味での人生の成功と言えるのかもしれません。その点、空海のような人間は、究極の成功者と言えそうですね。
ここにご紹介した言葉は、ごく一部で、まだまだ素晴らしい言葉を多く残しています。気になられた方は、実際に空海が書いた書物を読んでみるのもおすすめです。
以上、 「空海の言葉に成功法則のヒントを掴む」でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。