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【我が人生とっておきの名店】美味しい幸せをかたちにする。フランス料理店「メゾン・ド・タカ芦屋」

【我が人生とっておきの名店】美味しい幸せをかたちにする。フランス料理店「メゾン・ド・タカ芦屋」

芦屋川のほとり、閑静な住宅街の一角にある、一軒家フランス料理店「メゾン・ド・タカ芦屋」。エグゼクティブシェフ髙山英紀(たかやまひでき)さんが繰り出す食の世界を経験した人は、ひとたびその虜となる。確かな技術とセンスは、世界最高峰の料理コンクール「ボキューズ・ドール」でも発揮された。日本国内予選を2度も勝ち抜き、アジア予選では2連覇。フランス本選への出場では2度入賞した。10年追い続けてきたボキューズ・ドールへの挑戦に一区切りをつけた今、あらたに目指すものは何なのか、一流シェフが大切にする料理への想いとは、を取材した。

すべては「美味しい」のために

“料理はアートだ”と言われることも多いが、髙山さんの創造する料理はまさにアーティスティック。繊細で美しく、一瞬でその世界観に引き込まれる。4種の貝と人参、カリフラワーで仕上げたシャルトリューズは、折り紙がモチーフに。基本となるフレンチをベースにしっかり押さえつつ、日本の要素をさりげなく織り交ぜるのが髙山さんの特徴だ。

↑ 温かい野菜のケーキ、シャルトリューズ。世界大会にも出した一品。

一方で、料理人として最も大事にしていることは、見た目以上の「美味しさ」。至極当然のことのように思われるかもしれないが、食べた瞬間だけ美味しいのではなく、「記憶に残る」レベルの美味しい料理を作ることだ。その美味しさを追求していくと、“シンプル”という究極の贅沢に行きつく。素材の味が分かる料理を心がけているという。

例えばアスパラガスは、外側をカリッと香ばしく焼きつつ、素材本来のやわらかさも残す絶妙な歯ごたえに仕上げる。素材感を伝えることで、最上級の美味しさとなる。この体験が忘れられずいつまでも余韻に浸り、記憶に残っていく。現に「誕生日はタカさんのお店で」「家族のアニバーサリーには必ず訪れる」と、美味しさの記憶を再確認するために訪れる客が後を絶たない。

もちろん、素材選びにも抜かりがない。必ず産地訪問をし、野菜の味のみならず、生産者との対話から感じ得る思いや信頼をもとに素材を選んでいる。器においても、窯元を訪れ、料理に合うプレートなどを注文する。食べるシチュエーションも含めて、常にサプライズを届けている。

誰かの人生における「食べる幸せ」に寄り添う、そこに生涯をかけて取り組んでいるのだ。

↑ ウェディングも行っている広々とした敷地は、邸宅レストランならではの瀟洒な空間。

 

↑ 中庭を望む開放的な室内。大きな窓ごしに芝や木々のグリーンが眺められる。

人との出会いで紡いできた トップシェフへの道

福岡県出身の髙山さんは、料理好きだった祖母の影響でいつしか料理人を目指すようになる。地元でフランス料理店を営む叔父のアドバイスもあり、東京のフレンチの名店「シェ・イノ」の門をたたく。8年間フレンチの基礎を身に付けたのち渡仏。星付きレストラン3店舗で3年半ほど修行した。なかでも、フランス郊外の町、リヨンから100kmほど南西にある三ツ星レストラン「レジス・エ・ジャック・マルコン」での経験が大きな影響を与える。同店は、大自然に囲まれた小さな村に位置するオーベルジュで、地元の食材を使った料理を提供し、世界中から多くの客が訪れる。料理長レジス・マルコン氏は、髙山シェフが恩師と仰ぐ、憧れの存在だ。

フランスでの修行ののち帰国し、縁あってフランスの二つ星レストラン「ジル」の唯一の海外店、「メゾン・ド・ジル芦屋」の料理長に就任する。

「難しいことに取り組むのが好き」と話す髙山さんは、2009年から料理オリンピックとも称される、ボキューズ・ドールへの挑戦がはじまった。2015年にはついに本選第5位という快挙、2019年にも日本代表、アジア大会優勝を経て、7位入賞を果たす。本大会の優勝経験者でもある恩師、レジス・マルコン氏に少しでも近づきたいという思いを胸に挑戦しつづけた10年。さまざまな人との出会い、料理人としての成長、将来の方向性への発見など、賞以上に得たものははるかに大きい。

2016年には自身の名前を冠した「メゾン・ド・タカ芦屋」にリニューアル、名実ともに日本のトップシェフである。

↑ ボキューズ・ドール本選。ここで築いた経験と縁は、新たな美味しさへのステップとなる。

 

料理の力で生きる幸せを叶える

究極の「食べる幸せ」を叶えるために現在力を入れて取り組んでいるのが、福祉介護食だ。食べ手に合わせた食を提供しよう、というものである。

6年前から神戸市内の介護施設で、月に1度スープとデザートを作っている。自身の父親をがんで亡くした髙山さんは、「人は口からの食事でしか病状は改善しないし、幸せも感じにくい」ことを痛感。兵庫県立医科大学の教授とともに、嚥下食「しあわせのスープ」の研究開発、販売を実現させた。

一般的に、飲み込みにくくなった高齢者用の食事は、とろみ剤を使ってとろみをつけているものが多い中、髙山さんは、「とろみ剤は一切使いません。野菜の持つ自然のとろみを利用します」。とろみ剤不使用で圧倒的に違うのは、美味しいということ。高齢者のなかでも食が細ってきたり、「おいしくない」と言って食べない人もいる。しかし、しあわせのスープを飲んだ人は、ひとくち、またひとくちと食が進み、半年以上シェフのスープしか口にしない人もいるそうだ。また、余命数週間と宣告された人でも、このスープを飲んで食欲を戻し、1年近く生きた人もいるという。

髙山さんは、「人は最終的に自然に還ります。最後のひとくちまで美味しく食べて、できるだけナチュラルなかたちで人生の幕を閉じてほしい」と、話す。人生の入り口から出口までの食に携わりたいとして取り組む介護食のほか、芦屋の小学校給食で「味覚の授業」を実施。さらに現在、無添加・有機食材使用の離乳食の研究も進めている。「ボキューズ・ドールで得てきたものを、今後の人生で完結させていきたい」。

料理で人を幸せにする挑戦は、まだまだ終わらない。

 <メゾン・ド・タカ芦屋>

電話 0797-35-1919

住所 兵庫県芦屋市平田町1-3

公式HP http://maisondetaka.jp/

営業 11:3013:00(LO)18:0020:30(LO)

   ※2019年81日より 12:0013:00(LO)18:0020:00(LO)

定休日 月曜定休(祝日の場合は翌火曜)

 

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