パーティの始まりは招待状から

パーティには様々な形式があり、マナーの内容も形式によって変わります。どんな格式のどんな集まりに行くのかを把握する必要があります。

まず、招待のされ方ですが、招待状を受け取った、メールで招待された、口頭でお誘いを受けたなどにより、そのパーティの格式、形式がだいたい掴めます。正式なパーティの場合、招待状が送られますが、招待状の紙の素材や書体、インクの色でも格式がわかります。開催場所、時間、パーティの種類、ドレスコードによって、パーティの全体像が読み取れます。ドレスコードに沿った装いの準備や会場入りの時間なども確認しておくのがよいでしょう。少し遅れて到着するのがよいのか、パーティの形式によっては到着までに軽く食事を済ませた方がよい場合もあります。

招待状にR.S.V.Pと書かれているのは出欠の返事をくださいという意味です。また、その方法を指定されていることもあります。 by the enclosed card（同封のハガキにて）、regrets only（欠席の場合のみ）、出席と承知しているが参考までに招待状を送ったという場合はpour memoireやTo remindと記載されています。文書、口頭、お誘いを受けた方法は様々でも、主催者に迅速に返事をすることが紳士淑女のマナーです。ここからパーティは始まっているのです。

今夜はフォーマルパーティ

フォーマル（formal）とは？　解釈の仕方に幅がある言葉ですが、パーティやおもてなしではプロトコールに則った正式なものをさします。また、インフォーマル（informal）パーティもあります。こちらはフォーマルでないという意味、すなわちカジュアルなパーティと理解される方も多いようですが、フォーマルに準じたものでカジュアルではありません。

【晩餐会】

晩餐会はプロトコールに則った正式な社交パーティで、原則的に夫婦同伴（但し、パーティの趣旨に沿って単身、独身も同等に招待されます）、着席スタイルのフォーマルディナーのことをさします。代表的なものとして宮中晩餐会や毎年12月にスウェーデン ストックホルムで開催されるノーベル賞授賞式後の晩餐会などがあります。国内で令和天皇ご即位後、初めて催された宮中晩餐会は、5月27日にトランプ大統領夫妻を招いて行われました。

【ドレスコード】

パーティにあった装いがプロトコールで決まっています。どのようなパーティなのかを招待客に伝え、その場に相応しい装いを知らせるのがドレスコードです。

ドレスコードは、通常、男性の装いのみ明記されていることが多く、ホワイトタイ（white tie）と記載されていたら正礼装で、男性は燕尾服、女性はロングイブニングドレスです。この場合のパーティはフォーマルパーティです。

ところが、近年、フォーマルパーティでドレスコードがブラックタイ（black tie）のことが多くなっています。この場合は、男性はタキシード、女性はイブニングドレス（ヒール丈、アンクル丈）やディナードレスを着用します。

時間帯によっても、着用できるものが決まっています。燕尾服、タキシードは夜の礼装です。女性も同様です。夜のフォーマルパーティでは、大胆に背中やデコルテを美しく見せるロングイブニングドレスやゴージャスなアクセサリーで華やかに装います。

同じフォーマルパーティでも昼間に催される午餐会、ランチョンパーティに出席するときは、このような装いはマナー違反。肌の露出が少なく、ドレス丈も長すぎず、短すぎないもので、スパンコールなどのきらきらする素材は避けましょう。

紳士淑女の皆様は、TPOにきちんと合った魅力的なファッションでパーティを存分に楽しみましょう。

次回はパーティ会場に着いてからのマナーについて触れたいと思います。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

文・写真 花房英子