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【Mr.Xの財産管理の最前線 第8回】新型コロナショック この先の想定シナリオ2

【Mr.Xの財産管理の最前線 第8回】新型コロナショック  この先の想定シナリオ2

日本では新型コロナウイルス感染症の急速な拡大により、4/77都府県に対し緊急事態宣言が発令され4/16に全都道府県に拡大されていましたが、5/25にようやく緊急事態解除宣言が発令されました。前号の1カ月前とは状況が異なりますので、再度今後のマーケット想定を報告させて頂きます。

Mr.X

1988年より金融の最前線にてクライアントの資産管理、運用提案を行うプライベートバンカー(PB)。

職務経歴は、1988年より大手証券会社に約22年、フランス系のPBに約2年、大手メガバンクとイギリス大手銀行とのジョイントベンチャー組織に5年弱勤務し、現在はIFAとして独立、IFA事業会社に個人事業主として所属している。

5/25現在の金融マーケット状況

現状について

前号にて5つのシナリオと私の私見を解説致しました。

現在の状況からシナリオを検証しましたが、まだどのシナリオになるのか定まっていません。現在は主要国でロックダウンが解除されており、日本でも5/25に緊急事態宣言が解除されましたが、社会生活が以前のように戻ってはいません。これからどの程度回復するのかがポイントになりますが、前号でもお話したように、ここ数カ月新型コロナが経済に与えた悪影響が数値として発表され始めています。これからどの程度の損失で、その影響が今後もどの程度続くのかを検証しなくてはならない状況です。

景気と乖離した回復水準

金融マーケットは当初大幅に下落しましたが、3月の後半より回復局面を継続しており、前号(4月後半)にてお話した今後1~2カ月下落局面とはならず、まだ回復トレンドを継続中です。回復水準も徐々に戻り高値を更新していますが、現状の景気とは大幅に乖離している状況が続いています。この上昇の原動力は、中央銀行等によるリスク資産の買い入れ、年金資金のリバランスの買い、今後に悲観した投資家(海外投資家、ヘッジファンドを含む)の積み上がったヘッジポジション(売りポジション)の反対売買だと考えます。

原油価格から推測する

さらに一度大幅に下落した原油が、5/26現在で、34ドル台(WTI)に回復しています。これも以前お話したように懸念材料であったものが、景気の回復期待と在庫減少、ヘッジ売りの買戻し、先物と現物の裁定取引等によって上昇を続けているので、不安感が払拭されています。ただし、実際の需給を反映はしておらず、原油についてもリバウンドに限界があるものと考えます。

現在の相場と今後

従って、現状まだ過剰流動性相場とは言えず、単なる需給と心理による上昇維持だと考えますので、やはりV字回復に期待した投資家の失望を浴びる局面が、この後に訪れる可能性は高いと考えます。

その再度の下落局面があれば、その後は過剰流動性資金に飛び火し、年後半(特に9月以降)は大幅なリスクオンの状況となるものと考えます。ただし、短期間の急上昇となる可能性がありますが。

エリオット波動理論から考える

このシナリオは、エリオット波動理論から想定したものであり、これもまた幾つかのパターンがあるのですが、その中で私が可能性の高いと考えるパターンを採用しています。日柄で解説すると、6月の半ばより、下落調整局面が約2ヶ月前後発生し、8月中に再度相場が上昇反転、11月後半まで一気に上昇するというものです。下落が小幅にとどまる可能性は否定できません。あくまでもシナリオではあるのですが。

現時点での解説は、不確定要素が多過ぎることから、この程度の解説で申し訳ありませんが、もう1カ月ほど状況を見れば、どのシナリオになり始めたか、判断が可能になると考えます。可能な限り短いサイクルにて、今後の報告をさせて頂きます。

Mr.Xの一言

現在の金融マーケットを判断する時に注目すべき指標は、金価格です。

5/25現在の日本の店頭価格は、6,600円台です。金先物価格は、6月限で1,700ドル前半となっています。ほとんどの方はこの数値を見て、高いか安いかの判断をされているものと思います。金価格は1980年以降、20119月の高値の1,900ドル台が最高値で、現在はそれに準ずる高値となっています。皆様はこの価格を見て、今高いから金を売却しようと思われてはいないでしょうか。絶対値で見ればそう思うのも仕方がありません。ただし、これは正確に価格を把握されているとは言い難いのです。

ここで是非知って頂きたい見方をお伝え致します。

金は元々、金利の付かない商品です。従って、ただ保有していても何もそこから発生する利益はありません。では金は何なのでしょうか。金は銀とともに貨幣なのです。紙幣ではありません。現在、我々が手にしているお金は、通貨発行権を保有している中央銀行等の信用に基づいて発行されているお金です。このお金の裏付けは信用だけです。しかし、金(GOLD)はそのものに価値があり、その価値は不変です。金価格はあくまでも、お金(MONEY)との相対的な評価なのです。

従って、我々が使用しているお金の価値が下がれば、相対的に金価格は上昇します。逆にお金の価値が上昇すれば、金価格は下がります。お金の価値は通貨の供給量にて上下します。このことをご理解頂けたなら、現在の通貨供給量を思い出して下さい。世界では、すでに大幅な量的緩和が実施されていたところに、このコロナ対策で、さらに過去最大の量的緩和を追加しています。つまりは、前代未聞の大幅なお金の供給がなされているのです。従って、金価格を見る時に、この通貨の供給量を考慮して判断しなければなりません。

この基準に従い金価格を判断すると、現状でたいへん安価であることが分かります(Manetary Base Ratioという指標があります)。

是非一度、ご自身でこの見方を検証して下さい。この指標は株にも適用可能です(株は本来物と判断します)。

 

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