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【Mr.Xの財産管理の最前線 第9回】新型コロナショック この先の想定シナリオ3

【Mr.Xの財産管理の最前線 第9回】新型コロナショック  この先の想定シナリオ3

前回号より約1ヵ月が経ちましたので、前号の続きを解説させて頂きます。

Mr.X

1988年より金融の最前線にてクライアントの資産管理、運用提案を行うプライベートバンカー(PB)。

職務経歴は、1988年より大手証券会社に約22年、フランス系のPBに約2年、大手メガバンクとイギリス大手銀行とのジョイントベンチャー組織に5年弱勤務し、現在はIFAとして独立、IFA事業会社に個人事業主として所属している。

前回の【Mr.Xの財産管理の最前線】はこちら

7/6現在の金融マーケット状況

前回予測の結果と現在のNASDAQ市場の状況

前回にて、6月半ば(正確には6/9近辺でした)よりマーケットはリバウンドを終了し、一度調整局面を迎える可能性が高いことをお伝えしました。結果は、あらゆるマーケットにて上昇トレンドが一旦終了しましたが、NASDAQだけは上昇し続け、新値を更新している状況です(7/6現在)。429日のマイクロソフトの決算発表時にナデラCEOは、コロナ危機により在宅勤務が急増することよって「2年分のデジタル変革が2カ月で起きた」と述べていました。NASDAQついては、コロナ危機により逆に業績の拡大が見込まれるハイテク分野の企業、特にGAFAMと呼ばれる上位5銘柄(MSFTAAPLAMZNGOOGFB)の上昇が大きいからだと思います。ただし、上場企業全体を見渡すと、コロナ危機の影響は大きく、世界各国のGDPの成長率も大幅なマイナスとなっています。

国際通貨基金(IMF)の世界経済見通し

6/24、国際通貨基金(IMF)は世界経済見通しを下方修正し、2020年の世界の実質GDP成長率見通しを前年比-4.9%、2021年は前年比+5.4%としました。前回4月時点の予測から2020年は-1.9%下方修正され、2021年も前回時点より-0.4%下方修正されました。
このようなIMFによるベースライン予測は、世界の経済活動が2020年第2四半期に底を打ち、回復に向かうというものが前提となっています。

ただし、IMFはリスクシナリオも検証しており、2020年後半の回復ペースが上振れるケースと、2021年初めに第2波が発生するケースの2つを挙げています。第2波発生の場合は、前年比で4.9%下振れし、同年の成長率は+0.5%で、ほぼゼロ成長となります。

さらにIMFは金融市場にも警鐘を鳴らしています。
IMFは、「このところの金融市場のセンチメントの回復度合いは、経済見通しの変化と乖離しているように見受けられる」としています。この先の見通しが比較的厳しく、不確実性が高いにもかかわらず、株式、社債、証券化商品市場の価格回復が強く、楽観論の行き過ぎた感が見受けられ、市場が再度不安定化することにより、経済を下振れさせるリスクがあることも指摘しています。

株式マーケットに見る実体経済の状況

 

現在の株式マーケットを見ると、実体経済からの乖離がかなり高くなっており、理屈では説明を付け難い状況となっています。コロナ危機がプラス要因と考えられる銘柄の多いNASDAQ市場もテクニカル面では過熱感が出ています。

為替は、以前は金利差やマネタリーベースの差が変動要因とされてきましたが、現在そのどちらも取りあげて説明する人がいなくなりました。しかし、為替は相対的な要因で決まるものなので、無視することはできません。現在コロナ危機により、各国が大幅な金融緩和(ゼロ金利政策)と資金供給を実施したことから、金利格差は無くなり、日米ではマネタリーベースもほとんど変わらない金額となっていることから、そのどちらも大幅な円高要因とみなせる状況です。現在の為替は、需給関係でドル高円安となっていますが、この需給が終われば、かなりの円高バイアスが掛かってくるものと考えます。それだけマーケットと実体との間にギャップが生じているのです。

現マーケットの売り手と買い手

現在の強いマーケットの買い手がよく分からない、とお考えかと思いますが、日本市場の需給動向を確認すると、現金にて株式を購入している主体は、信託銀行(日銀、年金等)と自己売買(裁定取引等)が突出しています。一方売り手は、海外投資家が突出しています。海外投資家は1月より6月まで売り越しとなっています。これ以外にも先物の需給も見なければならないのですが、今回はそのまま素直に捉えればよいと思います。米国市場も5月以降個人投資家が積極的に参入しているようですが、現在の状況をみると、プログラム売買と一部の個人投資家の積極的な買いにより、想定以上の上昇を続けているように見えます。

現在の相場状況と今後のポイント

これらのことと、新型コロナの感染再拡大状況を考えると(しかし第2波ではない可能性が高い)、やはり前回想定しました、6月上旬がターニングポイントで、8月上旬までマーケットが調整期間となる可能性が高いと考えます。どの程度調整するのかは、今後の出来事と景気の回復度合いによると思います。アメリカ民主、共和両党の党大会開催で、大統領選が本格化する8月中旬が一つの日柄のポイントとなるように思います。

この調整が実際に起こり、ある程度の値幅で下落した時は、もう一度投資のチャンスを窺いたいと考えます。それはまだ、本当の意味での過剰流動性相場とはなっていないからです。

<Mr.Xの一言>

前号にてお話した金(GOLD)の先物ですが、6/301,800ドルを超え、まだ上昇トレンドを継続中のようです。海外資産家は資産の一部を金で保有しているケースがほとんどですが、日本の資産家はあまり金を保有していません。過去にない金融緩和を世界規模で実施していること考慮すると、一部(10%ほどか)の資産を金で保有することは、将来的に有効なヘッジ手段だと考えます。 

マーケット全般について、現在のように実態が悪いにも拘らず、皆が楽観している状況下では、ブラックスワン(予測できない、非常に強い衝撃を与える出来事)が発生した時のインパクトは大きいものになります。

では、火種はどこにあるのでしょうか。私が警戒しているのは中国と中東、そして米国です。ここで何かが起これば、インパクトは強いものになると考えます。特に中国国内で不穏な動きがあるように思います。アメリカ大統領選挙についても米国内で不穏な動きがあります。中東ではイランの核関連設備が炎上しています。通常はこのようなことを気にしながら運用をするものではないのですが、様々なマーケットでギャップ(乖離)が生じていることから、要警戒だと思います。しかし、下落した時はチャンスだとお考えください。

 

西洋では、金融マーケットをフォーキャストで捉えることがよくあります。日柄とサイクルを検証するためです。余談ではありますが、この7月初旬より約2か月間は、今年2月のコロナショックの時と同様に、警戒すべきサイクルのようです。

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