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【五感で感じる旅】道東 釧路湿原、阿寒・摩周国立公園の大自然をめぐる(前編)

【五感で感じる旅】道東 釧路湿原、阿寒・摩周国立公園の大自然をめぐる(前編)

北海道への旅と言えば、日本各地からアクセスしやすい道南、道央を選ぶ人は多いはず。でも、新型コロナウイルス感染症の影響で、ソーシャルディスタンスが重要視されるようになった今、なるべくなら人が少ない場所を選ぶのではないでしょうか。旅の内容が変わりつつある今、日本国内に残る手つかずの大自然に触れたいと思い立ち、道東に向かいました。圧倒されるほどの自然の迫力と美しさ、多くの魅力を2回にわたりご紹介します。

旅のスタートは腹ごしらえから

空の旅を経て、たんちょう釧路空港へ降り立つと、前日まで雨続きだったという釧路の地が、30度近くになり、暑すぎるほどの晴天に恵まれました。訪れたのは、8月中旬。この時期の平均気温は2223度という中、地元の人も驚くほどの真夏日となりました。実は、釧路近辺は一年を通して曇りや雨の日が多く、夏より雪が降り冷え込みが厳しくなる冬のほうが比較的晴れる日が多く、日照時間が長くなるそうです。
予想外の暑さではありますが、この晴れ渡る空が、旅を素敵に演出してくれそうな予感。

空港でレンタカーを借りて、まず目指したのは、『釧路の地元めし』の1つとして人気がある「釧路ラーメン」。魚介や鶏ガラを丁寧に煮だして作るあっさりした醤油味のスープに細い縮れ麺が特徴だそうです。釧路駅近くの店を検索し、何軒か行ってみたのですが、お昼時で満席または売切ればかり。表通りから少し外れた住宅街にポツンとある「銀水」というお店を見つけ、入ってみました。

醤油チャーシューメンをオーダー。自家製の極細の縮れ麺が、あっさりながら旨味たっぷりのスープにしっかり絡み、厚みのある自家製チャーシューの旨味とも相まって、驚きの美味しさでした。お茶漬け感覚で食べられるラーメンと言われるそうですが、たしかにそのとおりなのです。

いよいよ、釧路湿原へ

釧路川とその支流に沿って広がる、28,788ヘクタールという日本国内最大の広さを有する釧路湿原国立公園は、1987731日に国内28番目の国立公園に指定されました。特別天然記念物のタンチョウをはじめとした水鳥や、多くの野生動物の生息地になっているほか、数え切れないほどの季節の花々や湿原植生の変化をみることができます。他の国立公園とは異なり、広大な水平風景を楽しめることが特徴となっています。この湿原は、約4,000年前に流入した砂によって湾が閉じられ、土砂や泥炭などが蓄積する一方で海水が徐々に引き、現在の湿原になったと言われています。
広大ゆえに、あらゆる方向からいろんな展望を楽しむことができます。今回は、釧路市湿原展望台の散策路、温根内(おんねない)ビジターセンターから延びる木道、サルボ展望台、コッタロ湿原展望台の4ヶ所からの湿原と楽しみ方をご紹介します。

釧路市湿原展望台から遊歩道を散策し、高台から湿原を眺める

釧路湿原の南西の端に位置するのが釧路市湿原展望台です。赤レンガ造りの展望台が目印。展望台内には、湿原の生い立ちなどを紹介する展示室もあります。また、この展望台を基点として釧路湿原展望台遊歩道という1周約2.5キロメートル(1時間程)の木の遊歩道が敷かれています。

湿原内にも植生するハンノキを主体として原生する緑に囲まれた木の遊歩道は、つり橋あり、階段ありで多少アップダウンはありますが、木漏れ日の中を歩ける気持ちの良い散策路です。

 

途中、広大に広がる湿原を間近にみることができるサテライト展望台(標高67メートル)があり、広がるヨシとその上に覆いかぶさるように群生するハンノキの濃い緑の湿原の様子を眼下に見下ろすことができます。 

温根内ビジターセンターから木道の釧路湿原散策路へ

次に向かったのは、釧路市湿原展望台から車で5分ほどの場所にある、湿原西端の中央辺りに位置する温根内ビジターセンターです。このビジターセンターには、釧路湿原に関する様々な資料や標本が多数展示されており、詳しく湿原を知りたい方は立ち寄って見られることをお勧めします。

このビジターセンターを起点とする木道は、釧路湿原展望台遊歩道の木道とは異なり、湿原内部へとつながる平たんな木道が伸びて、湿原の中に立つことができるのです。木道の散策コースは3つあり、Aコース約500メートル(15分)、Bコース約2キロメートル(3040)Cコース約3キロメートル(4560)。ご自分のペースに合わせて散策を楽しむことができます。もちろん、途中で引き返すことも自由です。

天候もよく、湿原をじっくりと楽しみたかったのでCコースを選び、散策をスタートしました。木道コースの入口までは、「美しい日本の歩きたくなる道500選」に選ばれているという釧路湿原探勝路を歩きます。そして湿原の木道に入ると、高さ1メートル以上もあるヨシやスゲが湿原全体を覆うように目の前に広がります。そして、ところどころに背の高いハンノキが植生しているのです。

釧路湿原とその周辺では、約700種以上の植物が育ち、エゾシカやエゾタヌキ、キタキツネなどをはじめとする哺乳類が約40種、タンチョウ、オジロワシなどの鳥類が約200種、爬虫類や両生類、魚類などが約50種、昆虫類にいたっては約1,100種もの生物が生息しているそうです。この日は、時期的にタンチョウを観ることはできなかったものの、数種類の鳥や両生類、魚類、昆虫を観ることができました。

ヨシやスゲの間には、隠れるようにひっそりと小さくて、でも美しい様々な花々が咲いています。またヨシやスゲの根元にはわずかに水が流れていて、水草や藻、ミズゴケなども観ることが出来ます。ワタスゲやガンコウランなどの寒地性・高山性の植物も育っています。

木道を歩き、湿原の中に立つ

さらに進み、湿原内部に木道が一番飛び出した地点まで来ると、そこはまさに別世界です。聞こえてくるのは、広い湿原を通り抜け草木を揺らす風の音のみ。なんともさわやかで、ひとりぼっちで大自然に抱かれているような感覚に陥ります。見渡す限り湿原で、ハンノキの少し高い群生がところどころに小さな山のように見えるだけなのです。人工的なものは何一つなく、空の青と流れる雲、その下には、湿原の緑が広がるだけで地平線さえも見えません。その雄大さに日本の景色だということを忘れてしまいそうです。

キタキツネとの遭遇

湿原の散策を終え、宿に向かう途中、なんとキタキツネに遭遇。車道脇の草むらの中から車の前に飛び出してきて、ゆっくりこちらへ振りむき、車を恐れることなくじっと私のほうを見つめるのです。車のフロントガラス越しではありましたが、何か言いたそうな可愛いその表情がとても印象的でした。まだ暑い夏のこの時期にキタキツネに会えるなんて思いもよらない出来事でした。

道東の美しい湖をめぐる

さて二日目。以前から念願であった、足寄町(あしょろちょう)の湖、オンネトーへ向かいました。この日も快晴に恵まれました。オンネトーは今回の旅で釧路湿原の次に必ず行ってみたかった場所です。しかも、お天気に恵まれることを心から願っていましたので、本当にラッキーでした。

五色の湖オンネトー

阿寒湖から南西約20キロメートル先にあるオンネトーは、周囲約2.5キロメートルほどの小さな湖です。「神秘の湖」または「五色湖(沼)」と呼ばれ、季節や時間によりその湖水の色が様々に変化して見える本当に美しい湖なのです。湖の脇に造られた木製の展望スペースに立つと、湖を挟んで対岸には、今なお活動を続ける雌阿寒岳、その右側に阿寒冨士が二つ仲良く並んで見えます。雄大な二つの山が湖に写りこみ、湖面には山の緑と様々な色の水の層がグラデーションのように重なり、すばらしい美しさを見せるのです。

オンネトーは雌阿寒岳の火山ガス等の影響を受けて酸性であることに加え、ミネラル成分が多く湖水に溶けだしていること、時間帯によって太陽の照射が変ることなどにより、偶然に生まれる色の変化がとても神秘的なのです。
この日も、ダークグリーン、エメラルドグリーン、ダークブルー、美しく澄んだブルーの部分など、何色にも彩られた湖面が時間や陽の当たり方によって、刻々と流れるように変わって見えました。湖のすぐほとりまで降りてみると、その水の驚くほどの透明度にも感動するのです。 

「道の駅 あいおい」でひとやすみ

オンネトーの次は、国道240号線を北へ。阿寒摩周国立公園内の屈斜路湖を一望できる美幌峠へ向かいました。途中、「道の駅 あいおい」で名物の『クマヤキ』をいただきました。『クマヤキ』とは?『熊焼き』?と恐る恐るお店に近づいてみると、想像していた熊肉の焼肉ではなく、甘くて美味しそうな香りが。それは、たい焼きのようなお菓子でした。

クマをかたどった焼き型に北海道産の小麦粉と豆乳を混ぜて作った生地を流し込み、粒あんや豆乳クリームのあんを中に閉じ込め、たい焼き風に両面を生地で挟んで焼いたものです。使用される豆乳も自家製のもの。生地のふわふわ感と外側の焼けた香ばしい香りが、中のあんこや豆乳クリームと相性ばっちりでおいしく包んでくれています。見た目も可愛らしくおいしくて、とても人気だそうです。Tシャツやキーホルダーなどのクマヤキグッズもかわいらしくて注目です。

美幌峠からの大パノラマ

さて、道の駅あいおいを出て次の目的地、美幌峠へ。
美幌峠は、屈斜路湖の西側、標高525メートルの位置から周辺のカルデラの素晴らしい景色と深いブルーの屈斜路湖、中央に浮かぶ中島を目の前に見渡せる峠です。
「ぐるっとパノラマ美幌峠」という道の駅に車を停めて、ゆるやかな階段の敷かれた丘を上っていくと、広い展望台があります。

展望台に立つと目の前には悠然と広がる美しいブルーの屈斜路湖、振り返ると反対側には一面が笹に覆われたカルデラの緩やかな丘陵が広がっています。湖を包み込むように広がる緑の原生林のカルデラの大パノラマは圧巻です。

摩周湖の美に触れる

屈斜路湖の外周に沿うように走る国道243号線(パイロット国道とも呼ばれています)を南へ走り、次に向かったのは「霧の摩周湖」という布施明さんの歌でも有名な摩周湖の第一展望台です。霧が発生することが多く、全景を見晴らせることが少ないため神秘の湖とも言われるそうですが、この日は「摩周ブルー」と呼ばれる、落ち着いた深いブルーの湖と緑鮮やかな周辺の景観の全景を観ることができました。

火山の噴火により周囲を高さ200300メートルの絶壁で囲まれ、注ぎ込む川も流れ出る川もないこの湖は水位が常に一定で、植物プランクトンの生息密度が小さく20メートルもの高い透明度が維持されることによって、まるで藍染の青を思わせるほどの濃いブルーを創り出しています。その美しさはまさに芸術です。

34日の旅もここで前半を終えました。釧路湿原と道東を代表する3つの美しい湖をめぐってきましたが、雄大な大自然の美に感動の連続でした。次の後編では、少し違った自然の楽しみ方もご紹介します。

 

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