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バレエの楽しみ方2 ~自分らしく、自然体でバレエ鑑賞を楽しんで~

バレエの楽しみ方2 ~自分らしく、自然体でバレエ鑑賞を楽しんで~

前回の「バレエの楽しみ方」では、バレエの基礎知識から、大人が楽しめる演目についてなどをご紹介させていただきました。今回は、「では、劇場でバレエを観てみましょう!」ということで、鑑賞へとナビゲートさせていただきたいと思います。

20205月現在、新型コロナウィルスの影響で、世界中の劇場がクローズしているため、この状況が落ち着いて劇場が再開されるのを楽しみにしながら)

 

(トップ写真/「オネーギン」のタチヤーナを踊る西野麻衣子/英彼女がプロデュースする舞台「ノーザンライトの贈り物」が2021年4月3日、NHK大阪ホールで開催される予定。/撮影:Anne-Sylvie Bonnet)

菘 あつこ(すずな あつこ) プロフィール

菘 あつこ(すずな あつこ) プロフィール

舞踊ジャーナリスト

朝日新聞、神戸新聞、SWAN MAGAZINE(平凡社)、オン★ステージ新聞、関西音楽新聞、チャコットweb.マガジンDANCE CUBE等に舞踊評やバレエ・ダンス関連記事を執筆。

朝日新聞デジタル「論座」等に、社会・文化に関する記事を執筆。文化庁の各事業(芸術祭、芸術選奨、アートマネージメント重点支援事業、優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業、文化芸術による子供の育成事業等)、日本芸術文化振興会など行政の専門委員や講師も歴任。京都バレエ専門学校「バレエ史」講師。

著書に「ココロとカラダに効くバレエ」(西日本出版社)。

◆前回の「バレエの楽しみ方」はこちらのページへどうぞ

まずはチケットの準備を

ノルウェー国立オペラハウス(撮影: Victoria Francisca Foto)

鑑賞へナビゲートと言っても、実は、一言でお伝えするなら「何も堅苦しい決まりごとはありません。思い思いに、自然体でお楽しみください」というところです。
とはいえ、「そう言われても何からすれば良いの?」と、初めての方は戸惑われるかもしれませんね。

チケットの手配

まずは、チケットの手配から。これはもちろん、海外などを旅行中に「今日、観たいな」と思われた場合は、ホテルのコンシェルジュ等にご相談されるという方法はもちろんのこと、ソールドアウトしていない公演でしたら、直接、劇場に出向いてBOXオフィスで買い求めることもできます。また、ソールドアウトしていても、その街のチケットショップ等で手に入る場合もあります。

一方、旅の出発前から「観よう!」と決めている場合。数十年前なら旅行会社等に手数料を支払って手配を頼むというのが安心な方法でしたが、現在は、世界の主要劇場(その劇場付きバレエ団)は、インターネットサイトを持っており、そこで購入または予約ができます。インターネット上で購入または予約して、当日、現地劇場のBOXオフィスで発券というのがスムーズでしょう。
サイト上にチケット販売ページがない劇場の場合も、問い合わせアドレスへのメールで、予約を受け付けてもらえる場合がほとんどです(現地語でなくても、英語ならOKの場合が多いでしょう)。

お勧めの主なバレエ団

「ところで、どこのバレエ団がお勧め?」という声が聞こえてきそうですね。世界的にレベルが高いとされている主なバレエ団のHPをご紹介させていただきます。
(ただ、20205月現在、新型コロナウィルス感染症の影響で公演再開の見通しが立たないため、チケット販売ページに進めない場合もあります)

☆パリ・オペラ座バレエ団(パリ)

☆英国ロイヤル・バレエ団(ロンドン)

☆ボリショイ・バレエ(モスクワ)

☆マリインスキー・バレエ(サンクト・ペテルブルグ)

☆ワシントン・バレエ(ワシントン)

☆アメリカン・バレエ・シアター(ニューヨーク)

☆シュツットガルト・バレエ団(シュツットガルト)

☆ハンブルク・バレエ団(ハンブルク)

☆ノルウェー国立バレエ団(オスロ)

☆新国立劇場バレエ団(東京)

いよいよ公演当日、劇場へ向かいましょう!

ワシントン・バレエの劇場内

ドレスコード

 「ドレスコードはあるの?」と気になられるかも知れません。大晦日など特別な公演の折は、ドレスコードがある場合も。その場合は、おしゃれを楽しみ、その時に指定されたドレスコードに従ってください。ですが、通常のほとんどの公演は、世界の主要劇場でもドレスコードは基本的にはありません。清潔な服装であれば大丈夫ですので、気を張らず、あなたのお気に入りを身につけて向かってください。ダンサーや振付家などのアーティストが、セーターなどのニットやジーンズを自分らしく着こなして客席に現れることもありますし、似合っていれば問題はないでしょう。

とはいえ、せっかくだしゴージャスな雰囲気を楽しみたいということなら、男性ならジャケットにタイ、女性ならワンピースかスーツ以上だと無難。ドレスなどでおしゃれをしてお出かけになるのもお勧めです。海外の劇場で和服姿の方をたまに見かけますが、これも素敵ですね。海外の方の目を楽しませることができますし、お着物がお好きな方は、ぜひお召しになってはいかがでしょう?
(ただ、少し気をつけることがあります。帯があることで、背もたれから前に座ることなった場合に、後ろの席の方の舞台への視線を妨げてしまう場合があるのです。劇場の客席の状態によって変わりますので、そこは後ろの方へのご配慮があるとさらに良いかと思います)。

持参しておくとよいアイテム

あと、持っておきたいのは、咳きこみそうになった時のためのキャンディー(飴)。風邪気味でなくても、舞台でたかれるドライアイスの冷気で咳きこんでしまうこともありますので、用心しておくと安心です。いざという時のために、できるだけ包装から出すときの音が出ないように、配慮してお持ちください。口元を抑えるハンカチも出しやすいところに。

余裕を持って開演前や幕間も楽しんで

ドイツのシュツットガルト州立歌劇場でのインターミッション(幕間)に撮った写真

公演当日、劇場へは余裕を持って着きたいですね。遅刻すると、演目によっては演出の都合上、その幕の間は席に着けなくなる場合もあります。できれば早めに着いて、開演前にロビーでシャンパンやワイン、軽食を楽しむのもお勧めです。劇場併設のレストランで開演前に食事をとるのも良いでしょう。もちろん、インターミッション(幕間)に、さっき観た舞台について語り合いながら、飲み物や軽食を楽しむのも楽しいですね。

事前の準備は必要?

パリ・オペラ座ガルニエ宮の、シャガールによる天井画

 

「公演に向かう前に、内容を調べるなどの準備をしておいた方が良いでしょうか?」、そんなご相談をいただくこともあります。日本人は勉強熱心な方が多いですね。
お答えするとしたら、それは、どちらでもOK。物語性のある演目ですと、そのストーリーを知っていた方が分かりやすいということはありますが、知らなくても、良い舞台であれば伝わるものがあるはずです。また、物語のない抽象的な作品であれば、あなたが感じるままに観るのが一番です。“どう感じるか”──これに正解はありません。振付家が何かを意図して創ったとしても、それを観る観客が、その通りに感じることだけが成功ではない──正解探しではない、これが言葉のない芸術であるバレエやダンスの、一番興味深いところであり、尊いところだと私は思っています。

私が素晴らしい作品を創ると尊敬する振付家の方々が、自分の作品を見終わった観客の言葉に「そんな感じ方があるのか」と、彼(彼女)にとっては意外な感想に驚きながら、「嬉しい」と語るのを何度も聞いて来ました。私達日本人は、つい正解を求めてしまう真面目さを持っている人が多いように思えますが、良い芸術なら、きっと何かしら感じるものがある、それは観た人みんなが同じではない。それを、そのまま自分独自の感覚で享受することが、“芸術を楽しむ”ということなのかなと思います。

世界中に優れた日本人ダンサーが──そのなかの西野麻衣子さん

ノルウェー国立オペラハウスの前で西野麻衣子さん(撮影: Victoria Francisca Foto)

今、日本人が世界の主要劇場のプリンシパルに、というニュースを目にする機会が増えて来ました。そういった日本人ダンサーの活躍を観るのも嬉しいことです。今回はノルウェー国立バレエ団プリンシパルの西野麻衣子さんに素敵なお写真をたくさんお借りしました。彼女は、2016年公開のドキュメンタリー映画「Maiko ふたたびの白鳥」で話題になったので、ご記憶の方も多いでしょう。
映画「Maiko ふたたびの白鳥」予告編

前回、大人が鑑賞するのにお勧めの演目として挙げさせていただいた「オネーギン」(振付:ジョン・クランコ)の主役タチアーナを、もう何度も踊っている彼女。その「オネーギン」の写真を中心に、現代作品「Bella Figura」(振付:イリ・キリアン)や素敵なノルウェーの劇場の写真などをお楽しみください。

ノルウェー国立バレエ団「オネーギン」のタチヤーナを踊る西野麻衣子(撮影:Anne-Sylvie Bonnet)

(撮影:Anne-Sylvie Bonnet)

(撮影:Anne-Sylvie Bonnet)

(撮影:Anne-Sylvie Bonnet)

「Bella Figura」(振付:イリ・キリアン)を踊る西野麻衣子(撮影:Jörg Wiesner)

(撮影:Anne-Sylvie Bonnet)

(撮影:Anne-Sylvie Bonnet)

実は、2020年4月に西野麻衣子さんのプロデュースで、日本で「ノーザンライトの贈り物」というノルウェー国立バレエ団のダンサー達が出演する舞台が行われる予定だったのですが、新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、来年、2021年4月3日に延期されました。NHK大阪ホールで行われる予定です。こちらも楽しみになさってはいかがでしょう。

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