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伝統製法で醸された酢とフランス料理、豪華なコラボレーション

伝統製法で醸された酢とフランス料理、豪華なコラボレーション

江戸時代から受け継がれる伝統的な製法で酢を醸す中野酢。その酢は、国産米のみを使い、静置発酵で木桶仕込みという特徴があります。手間と技術を要するために大量生産はできません。けれど、料理人や食通はその本物の酢の味を求めてわざわざ取り寄せているのです。その中野酢を使った料理を、フランス料理の名店「オテル・ドゥ・ミクニ」の三國清三(みくにきよみ)シェフが提供するという華やかなコラボランチ会が開催されました。そのレポートをお届けします。

上質な時間が流れる「オテル・ドゥ・ミクニ」で開催

右から三國清三シェフ、中野善之社長、中野貴久子取締役、コーディネーターの木島知子さん

三國シェフといえば、札幌グランドホテル、帝国ホテルを経て、20歳で在スイス日本国大使館の料理長に。その後ヨーロッパで8年間修業を重ねたのちに帰国。1985年に「オテル・ドゥ・ミクニ」を開業し、そこからの活躍は言うまでもない名シェフです。「店のメニューに酢を使うのは初めて」と言われていたそうですが、どんな料理か楽しみです。

四ツ谷駅からタクシーでオテル・ドゥ・ミクニに向かうと、すぐに見えてくるのが迎賓館。赤坂御用地の森を背に気品ある建物がとても美しく、これから出合うお料理への期待と相まって自然に気持ちが高揚します。

車は静かな住宅街の細い道を進み、緑に包まれたゲートの前に停まりました。ここがオテル・ドゥ・ミクニです。

中野酢の多様なラインナップ

中野酢は株式会社蔵元中野商店の屋号です。製造方法は、100%国産米を使用し、まずは清酒造りの伝統技法である三段仕込みによってどぶろく(酢もろみ)を造ります。そのどぶろくを種酢(たねず)とともに木桶に仕込み、およそ3〜4ヶ月もの発酵期間を経てお酢が出来上がります。この間、人の手は加えず、種酢と蔵付き菌の自然の力のみに発酵を任せます。これが江戸時代より続く古式伝統製法の「静置発酵法」です。

蔵に立ち並ぶ大きな木桶は、今や作れる人がほとんどいないほど希少なもの。木桶に棲み着いた微生物が、醸造の手助けをしているのです。

すべての料理に酢を用いたオリジナルコース

タルトオニオン

アミューズはオテル・ドゥ・ミクニの人気の一品、温かいタルトオニオン。玉ねぎは北海道新篠津産です。フランス料理のキッシュと茶碗蒸しを合わせたスペシャリテは、37年間常連さんを喜ばせてきた味。温かくて玉ねぎの甘味がじゅわっとあふれるタルトに、二品目から出される中野酢とのコラボ料理への期待が膨らみます。

【純米酢】サーモンマリネ、アネットの薫り

前日にマリネしたサーモンに、純米酢、アボカドオイル、クルミのオイル、ディルをあしらっています。上質な純米酢を使ったほどよい酸味がとっても上品な味。

【黒酒酢】賀茂茄子のフリット、八丁味噌風味とゴマの香り

100年以上、その種を受け継いでいる京都の農家から届いた、京の伝統野菜の賀茂茄子をフライにして、黒酒酢と八丁味噌のソースをかけています。黒酒酢は玄米でつくられた酢で、白米でつくる純米酢より強い酸味ながらまろやかな旨みをたくわえています。香り付けはゴマとトリュフオイルで。

【萬年酢】カマスのグリル、黒ニンニクのピュレとオリーブ油味

 

燻製カマスを香ばしく焼き、熟成させて甘味のある萬年酢と黒ニンニクのソースをかけています。燻製の薫りとソースの深みのある味、そのコントラストが絶妙。萬年酢は純米酢をベースに黒酒酢を加え、讃岐の和三盆、種子島の粗糖、沖縄の塩でさっぱりとした甘さに仕上げられています。

 【寿酢】うずらのコンフィ、カリフラワーライス添え、カレー風味

うずらのだし、寿酢、ローズマリーでひと晩マリネしたうずらをコンフィにしてから燻製に。そのマリネ液を煮詰めた濃厚なソースにつけて、指でつまんでいただきます。カレー風味のカリフラワーライスとともに味わうエキゾチックな味。
漬けたり混ぜたりするだけでピクルスや酢飯がつくれる万能甘酢の寿酢ですが、こんなふうに変化するとは、驚きの美味しさでした。

 【デイズ養醸】豚ロースのロティ、オレンジと椎茸のブレゼ和え

豚は燻製にしてからロティに。オレンジソースは、生姜風味の飲むお酢「デイズ養醸」に青みかん・大和橘・じゃばら・柚子で香りを、てんさい糖で甘味をプラスしています。まるごと椎茸とオレンジは、あえて形を大きく残して同じソースで煮ています。手を加えているのに、口に入れた時にフレッシュな感覚に包まれました。あえて調理しない、火を通してより新鮮な感覚に、形を変えて自然の旨みを生かす、とっても複雑な技を感じた料理です。

【デイズ貴醸】プティニュアージュ

長野県の山奥の酪農家がつくるチーズ、プティニュアージュ。ソースは黒酢に完熟南高梅・青梅・梅エキスをブレンドしたデイズ貴醸に、皇居の蜂蜜を加えてソフトな酸味と甘味に。

【バルサミクリーム】グラスヴァニーユとフレジエとマスカルポーネのムース 

 スイーツに合わせられたのは、黒酒酢900ml1.5本分に濃縮した和製バルサミコ酢「バルサミクリーム」。おなかいっぱいでも食べられる、さっぱりした味わいです。

食事を終えて

1985年、三國シェフがこの場所に店をオープンした当時、すぐ横の学習院初等科の桜が満開だったそうです。その時につくった桜の模様の皿が今も大切に使われています。料理はもちろん、料理ごとに変わる素敵な器も見逃せません。
そして、新たな「中野酢」ブランドで、日本の伝統技法の良さを伝え続けていくと決めた中野ご夫妻の力強いメッセージも感じました。何気なく使いがちな調味料だからこそ、より良いものを選びたいと思います。

今回の料理のいくつかには燻製という技法が使われていました。それが酢と合わさって、より深い味わいになっていたように感じました。フランス料理と酢醸造、ジャンルは違ってもそれぞれに本物を極めようと日々努力をされている者同士の1日だけのコラボレーション。遠く沖縄や関西からも本物志向の方々が集まったランチ会でした。

オテル・ドゥ・ミクニ
住所:東京都新宿区若葉1丁目18
TEL03-3351-3810

株式会社 蔵元 中野商店
住所:京都市北区大宮北椿原町42
TEL075-205-5335

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