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俳優・伊礼彼方さんにインタビュー【前編】

俳優・伊礼彼方さんにインタビュー【前編】

ミュージカル『レ・ミゼラブル』や『ジャージー・ボーイズ』など、舞台を中心に活躍する俳優・伊礼彼方(いれいかなた)さんにお話をうかがいました。俳優になったきっかけや、役作りのおもしろさにハマっていったこと、演劇における効果、そしてミュージカルのススメについて語っていただきました。(トップ写真:Photo by岩村美佳

伊礼彼方 プロフィール

沖縄県出身の父とチリ出身の母の間に生まれる。

幼少期は海外アルゼンチンで過ごし、その後、横浜へ。中学生の頃より音楽活動を始め、ライブ等で活動しながらミュージカルと出会う。その後、舞台を中心にミュージカル以外にもストレートプレイや朗読劇、歌舞伎、ライブコンサートなどジャンルや役柄を問わず、幅広い表現力と歌唱力を武器に多方面で活動中。

主な出演作品はミュージカル『レ・ミゼラブル』、音楽劇『星の王子さま』、音楽活劇『SHIRANAMI』、ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』など。20194月にミュージカル・カバーアルバム『Elegante』をリリース。

今夏は、ミュージカル『ミス・サイゴン』でエンジニア役として出演予定だったが、新型コロナウィルスの影響で帝国劇場はじめ、全国公演予定がすべて中止となっている。

初めての舞台で役作りのおもしろさを知った

Photo by岩村美佳

――まずは伊礼彼方さんご自身のことをお伺いしたいのですが、俳優になったきっかけを教えて下さい。

ミュージカル『テニスの王子様』(2006)のオーディションを受けたことがきっかけです。それまで音楽活動をやっていたのですが、いろいろと行き詰っていて限界を感じ芸能の道を辞めようと思っていたのですが、たまたま路上ライブをしていた時に「ミュージカルのオーディションを受けてみませんか?」と声をかけられて、ミュージカルって!?という認識だったにも関わらず、これも何かの縁だと思い、受けてみたら合格して、そこから役者人生がスタートしました。

――それまで音楽をされてきて、初めてお芝居にチャレンジしたんですよね。実際にやってみていかがでしたか?

音楽も舞台も一体感があるんですけど、舞台はフィルターがかかった一体感だなと感じました。とても不思議な感覚でしたが、こういうパフォーマンスもあるんだと新しい発見があったんです。『テニスの王子様』の原作がアニメでしたので、そのキャラクターに声やビジュアルを近づけていく役作りをしましたから、素の「伊礼彼方」ではいられなかったんですよね。でも、それが実はとてもありがたかった。音楽をやっていく中で、伊礼彼方をそのまま表現することに疲弊していたこともあって、役があるということがとてもありがたかったんです。

――お芝居をすることに抵抗はなかったんですね。

まったく抵抗はなくて、すごく楽しかったですね。自分じゃないけど自分という不思議な感覚で……これだったらできるかもと演劇に可能性を感じました。人前に出ることや歌うことは好きなんだけど、素の自分の言葉を発しなくて済むということが僕にとっては楽なツールだったんです。それに気づくことができてハマっていきました。「なぜ、こういうセリフを言うんだろう」と考えるのが楽しくて、役作りのおもしろさを知りました。

――初めての舞台で役作りのおもしろさにハマったんですね。

そうなんですよ。その後すぐに、劇団スタジオライフさんの『カリフォルニア物語』に出させていただいたのですが、男性のみの劇団で僕はヒロインの役だったんです。これがまた、おもしろかったんです! ヒロインなのでロングヘアのカツラに女性のメイクをするのですが、口紅がとれていないかすごく気になるんですよ。それまでは理解できなかった「女性がわざわざトイレへ化粧直しに行く」という行動が理解できるようになりました(笑)。

演劇は犯罪者の更生のツールにもなっている

Photo by岩村美佳

――なるほど! そうやって演劇を通して「知らないことを知る」ことができたんですね。

そうですね。女性役をやったことで化粧直しをする女性の気持ちを理解できたように、いろんな国や年齢、職業の人たちの人生を疑似体験することで、人に対するアレルギーがなくなってくるんです。どこの国かは忘れましたが、罪を犯してしまった子どもたちを更生させるカリキュラムに演劇があって、犯罪者に被害者役を演じさせてその人の気持ちを感じさせるそうです。ひとりの人間の気持ちを理解しようとするからとても適していると思います。

――観客としても、その役の人生を疑似体験している感覚になります。泣いたり笑ったり……。

演劇は自分以外の人を知るきっかけになりますよね。プロとかアマチュアとか関係なく、役作りを通して別の人格を堀下げることは、生きていくうえでプラスになるんじゃないかなと思います。観るだけでもいいですし、体験できたらもっと良いですね。 

――そうですね、体験できたら新しい自分が発見できそうな気がします。

演劇にはいろんな効果がありますし、ミュージカルの歌やダンスはさらにいろんなアプローチができると思います。みんなで同じ歌を歌ったり、今は難しいけど、人と人が触れ合ってダンスで表現することで、ナイーブな心を開けてくれるきっかけになったり、攻撃的な気持ちを落ち着かせる効果があると思っています。将来的に何かの形でミュージカルを教育現場に取り入れてもらえるような活動をしていけたらと思っているんです。

――子どもの頃から演劇に触れることができたら心が豊かに大人になりそうです。

自分の体験として、幼いころにミュージカルと出会っていたらどうなっていただろう…って考えてて、いろんな学校をまわって演劇をしたり、親御さんも招待して親子で観てもらったり。できれば観ることと体験することを一緒にしてもらえたらいいですね。普段の生活の中で演劇に触れる機会があまりないので、そういう活動から演劇と社会がつながっていけたらと思うんです。  

「ミュージカルを観に行こうよ!」ってデートに誘える日がくればいいな

Photo by岩村美佳

――確かに「舞台を観る」ということは特別なことというイメージがあるかもしれません。

映画を観に行く感覚で、気軽に男の子が好きな子に「ミュージカルを観に行こうよ!」って当たり前のようにデートに誘える日がくればいいなって思うんです。歌もあってダンスもあるミュージカルは観やすいですし楽しいですから、デートに誘うツールに成り得ると思うんです。高校生カップルシートとかあればいいですよね。デートでミュージカルを観に行くことが、おしゃれでカッコいいイメージになるような、そういう活動をしていきたいですね。 

――先ほどおっしゃっていた一体感を共有できたら、すぐに仲良くなれそう(笑)。

カーテンコールでのお客さまの熱狂や拍手、その一体感は感動しますし生きている実感が湧いてきます。そして、お客さまも役者のエネルギーを感じ取っていただけると思っています。それが“生”の良さだと思うんです。だから、どの作品を見るかはとても大切。学校の授業に例えると、おもしろい授業をする先生だとラッキーだけど、つまらない先生だと勉強も身に入らないし、その教科がきらいになってしまう……なので、とくに最初に見る作品は大事!好き嫌いはありますが、そこはよく吟味して欲しいなあ(笑)。

――確かに最初に観る作品は大事かも……それだとやはりミュージカルが観やすくていいですね!

そうですよね、ミュージカルは音楽があるからわかりやすく、すんなりとその世界に入れるので、そういう意味で総合的なエンターテインメントになるんじゃないかと感じています。初めて舞台を観るにはミュージカルが絶対に良いですよ! テレビに出ている方やお笑い芸人さんも最近はミュージカルに出ているので、出演者で決めてもいいですしね。 

――そこからいろんな作品を観てもらえるようになれば。

ミュージカル以外にもたくさんいい舞台作品があります。まだ観たことがない方たちに演劇を届けたいという思いをずっと持っているので、役者としてスキルを上げながら、そういった活動やメディアを通して演劇を広めていきたいです。それが演劇の未来につながっていくと思うんです。 

※インタビューは【後編】へ続きます。

<伊礼彼方情報>

Photo by岩村美佳

●伊礼彼方公式HP https://ireikanata.com/
●伊礼彼方Twitter https://twitter.com/irei_kanata
●伊礼彼方Instagram https://www.instagram.com/irei_kanata/
●舞台芸術を未来に繋ぐ基金 https://www.butainomirai.org/

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